男子は立って小用を足すものだと思われていたのは今は昔。最近は、個室で座って大小をすませる方が多いのだとか。そんな男性の一部にほとほと困っているというビル管理サイドの話を聞いた、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんですが、トイレの使用状況から最近の男子の生き方の変化に気づいたと言います。どのようなものなのでしょうか。
最近の男子トイレ事情にびっくり!
こんにちは!廣田信子です。先日、オフィスビルの関係者とお話ししていたら、突然、トイレの話が…。
「最近、上の階に、データー処理のアウトソーシングの会社が入って、男性社員が増えたら、男子トイレに3つある個室が、その階はもちろん、その階以外の各フロアーもいつも満室状態で、必要な時に使えなくて困っている…どうしてだか、分かる?」と質問が。
そういえば、最近は、家庭でも男性が洋式トイレを使うとき、小便でも座ってする人が増えているといいます。時々、立ってする派、座ってする派どっち派かが話題になります。座ってする方が、床や壁に飛沫が飛ばずに衛生的なのは、間違いないのですが…勢いよく全部を出し切れるので体にとっていいのは、立ってする方とも言われたり…。でも、結局、習慣なんでしょうね。
わが家は、座ってする教育はできていませんが、若いファミリーでは、奥さんから、立ってするのは厳禁といわれ、男の子にも小さい時から座ってするようしつけている家庭が増えているようです。で、最近は、学校の男性トイレも個室化が進んで立ってする小便器が消え始めているのです。きっかけは、学校のトイレで個室に入ると、大便をしたといって、からかわれるので、学校のトイレでは、絶対に大便をしない男の子が多くて、おもらしがあったり、体に悪い…と問題になったからです。全部を個室にしてしまえば、大便か小便かわからないので、からかわれることもない…という発想です。
個室化の進行度割合は、ちょっと分かりませんが、その場に同席していた女性は、うちの子供たちには座ってするようにしつけているし、学校のトイレもすべて個室なので、そういえば、小便器って使った経験がないかも…と。
じゃあ、最初の問い、若者が増えたら男子トイレの個室がいつも満室なのはなぜ?の答えは、最近の若者は、小便も個室で座ってする人が増えたから…かと思ったら、そんなに単純じゃないのです。小便を個室でするとしても、そんなに時間がかかるもんじゃない…他のフローアーのトイレまで占拠して、20分も、30分も個室にこもる理由はないでしょう…と。
確かにその通りです。どうも、個室の中で座って用を足すついでに、そこでスマホゲームをしたりして遊んでいるとしか思えないというのです。さらに、お昼時になると、個室が埋まっている時間が長いので、ひょっとしたら、中でお昼を食べているんじゃないか…と思うこともある…と。そういえば、仲間といっしょにご飯を食べるのが苦手な人が、一人で食事をしている姿を見られなくないので、トイレの中で食べている…そんな話が話題になったこともありました。
で、このオフィスビルの場合、個室が3つあるというのがみそなんだと思います。1つ、2つだと、さすがに長時間独占は悪いと思うのでしょうが、3つあると、自分一人ぐらいいいだろう…という気になります。でも、そういう人が3人いたら…たいへんです。
大か小か気にしないで、男子もゆっくりトイレが使えるようにという個室化が、トイレが、集団の中にあっても、一人で自分の世界に入って好きなことをしたり、まわりとの人間関係を気にしなくていい憩いの場になっている現実があるのでしょうか。現代事情として考えさせられました。
でも、オフィスビルを管理する立場としては、それをほっておくことはできません。あまり長く個室を独占しないようにと掲示し、長い場合は声を掛ける等の対策も必要になってきます。そのうち、トイレの個室の滞在時間をAIがチェックする仕組みができ、あまり長いと、音声で促す…というようなことにもなりまねません。そうすると、いろいろ身体的な事情があって、トイレが長くなる人にとっては、落ち着かないことになります。できれば、そんなことにならないように新マナーをみんなが身につけていきたいものです。
ただ、流れとしては、ビルや公共の男子トイレの改修時に、小便器を減らし、個室を増やす方向になりつつあります。でも、そうすると、全体の面積は同じなので、必要個数を確保できないという問題が悩ましいのです。
トイレの使い方のしつけや、学校のトイレ教育が、様々なところに影響を与えるんだな~と改めて知らされました。あなたや、あなたのご家族は、どっち派ですか?