宿場町にテレワーク施設 宮城・富谷市が空き家改修、整備へ

宮城県富谷市は本年度、江戸期の宿場町だった同市富谷新町地区に、企業向けのテレワーク施設を整備する。国のデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用し、地区にある空き家を改修。旧宿場町の活性化に役立てる考えだ。

江戸期は「荷宿」

 市によると、施設は事業者がテレワークに使う複数の部屋と共有スペースとなるシェアオフィスを核とする。今年夏ごろの着工を見込み、今後、入居する企業を誘致する。事業費は約4800万円。

 改修する空き家は築約50年。木造2階で延べ床面積約170平方メートル。千葉県内の所有者が今年2月、敷地約650平方メートルと共に市に寄付した。

 かつての所有者の先祖が江戸期、宿場に届く荷物の管理を担っていたとされ、地元で「荷宿(にやど)」と称されている。所有者の意向を踏まえ、市は建物を解体せず、生かすことにしたという。

 市は新町地区に2018年、旧町役場庁舎を改修した市まちづくり産業交流プラザを、しょうゆ店の母屋や蔵を改装するなどし、21年に富谷宿観光交流ステーションをそれぞれ開設。地区の活性化に向けた拠点整備を進めている。

 市産業観光課の担当者は「新町の三つ目の拠点として、既存の施設と相乗効果を発揮し、にぎわいの創出につながるような施設にしたい」と話す。

 市は5月以降、連携協定を結ぶ宮城大の関係者や地域住民らとワークショップを開くなどし、施設のコンセプトや付随する機能を検討する方針だ。

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