宿泊税は宮城県内一律で1人1泊「300円」 仙台市内は県「100円」 、市「200円」で調整

宮城県と仙台市が観光振興の財源確保策として、それぞれ導入を目指す宿泊税について、宿泊者に課す税額を県内一律で1人1泊300円に設定し、市内に限って県が100円、市が200円を徴収する方向で調整に入ったことが20日、分かった。課税を免除する対象の範囲などでなお隔たりがあるとみられ、県と市は細部の協議を続けている。

県と市、課税免除対象の範囲で隔たりも

 県は1人1泊300円、市は同200円を軸にそれぞれ検討していた。徴税対象が重複する市内分は合算して「500円」とする案もあったが、宿泊事業者の反対が根強い。村井嘉浩知事、郡和子市長がともに「税額は県内一律で同額が望ましい」とする意向を示し、市内の配分が焦点となっていた。

 県は部活動の遠征で利用する際に課税を免除する方針だが、市は慎重な姿勢を見せる。宿泊料金が一定額以下の場合に徴収を免除する「免税点」に関し、県は市に同調する構えだが、具体的な金額は定まっていないという。

 税の使途は、観光産業を支える宿泊事業者への還元に主眼が置かれる。県は施設改修による収益力強化や、人手不足の解消に向けた人材育成支援への活用を想定。地域の実情に応じた観光施策が展開できるよう、市町村を対象にした事業提案型の補助金導入も検討している。

 村井知事は13日の定例記者会見で、宿泊事業者向けの説明会を各地で開く考えを強調し、県議会9月定例会以降に関連議案を提出する方針を表明した。郡市長は14日の定例記者会見で市議会への議案提出時期について「県と一緒の方がモアベター(より良い)と思う」としながらも、具体的な時期は明言を避けた。

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