東北電力が9月に予定する女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働を前に、東北電は7月9日、石巻市寄磯浜の住民向け説明懇談会を県漁協寄磯前網支所で開いた。住民からは重大事故時の避難を不安視する声などが上がった。
住民ら30人が参加。阿部正信所長ら11人が、5月に完了した2号機の安全対策工事、寄磯地区から約2キロの場所に設置する予定の使用済み核燃料の乾式貯蔵施設などについて説明した。
質疑では、避難時にいったん女川原発方面に向かわなければならない同地区の位置関係から「避難路となる道が狭く、渋滞の懸念があり、改良が必要だ」との意見が続出した。再稼働に伴う温排水が養殖業にもたらす影響を懸念する声も出た。乾式貯蔵施設について「使用済み核燃料の搬出時期があいまい」との批判もあった。
東北電の担当者は「安全管理に務めていく。皆さんの不安や懸念を市、県や国に報告する」と答えた。
遠藤勝彦区長は「原発と目と鼻の先に住むわれわれは常に危険と隣り合わせにある。今後も素早い情報共有、信頼できる間柄の構築を求める」と話した。
阿部所長は「地域の理解が何より重要。今後も顔が見えるコミュニケーションを取り、分かりやすく情報発信する」と述べた。