富谷中が文科省指定の不登校特例校に 宮城初、来年4月開設目指す

富谷市富谷中(生徒250人)が、不登校の生徒の実態に配慮した特別な教育を実施できる不登校特例校として、文部科学省の指定を受けたことが23日、同省などへの取材で分かった。県内初の事例で、2022年4月の開設を目指す。市は市内にある旧小学校校舎を分教室として活用する方向で調整を進めており、関連する議案を市議会9月定例会に提出する見通し。

 複数の関係者によると、新たに開設を目指す市内在住生徒を対象とした特例校の定員は、20人程度を見込む。現在はコミュニティセンターとしている同市西成田の旧西成田小校舎を分教室とする予定。
 富谷市内では例年、中学生の4%に当たる80人程度が不登校の状態になっている。市は主に市教育支援センターで、不登校の児童生徒や保護者を対象に、学習や相談などのサポートを実施してきた。
 近年、不登校となる生徒が減らず、同センターに寄せられる相談が増える傾向にあった。市は子どもたちに自由度の高い学びの場や居場所を提供し、自立に向けた支援を充実させるため、特例校制度の活用に向けた検討を進めてきた。
 文科省によると、不登校特例校は通常の基準によらない特別な教育課程を編成できる。年間の授業時間を一定程度抑え、750~770時間を目安に設定できるほか、少人数指導や個別学習、情報通信技術(ICT)を使った一部単位の認定などが可能になる。
 公立、私立を問わず、小中学校、高校を対象に同省が指定する。富谷中を含め、7月末現在で北海道や東京、京都など全国9都道府県の小中学校、高校の計18校が指定を受けた。

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