対話アプリの暗号化は「犯罪の温床」…見直し求め日米英など7か国声明

【ロンドン=池田晋一】英政府は11日、米フェイスブック(FB)などのIT企業に対し、対話アプリの暗号化技術を見直すよう求める共同声明に日本を含む7か国が署名したと発表した。対話アプリで使われる強い暗号が、児童を巻き込んだ犯罪やテロ事件の温床になっていると主張した。

 機密性の高い情報を共有する米英、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの「ファイブ・アイズ」に加え、日本とインドが署名国となった。

 声明では、FBが提供する対話アプリ「ワッツアップ」などで使われる「エンドツーエンド暗号化」と呼ばれる技術を問題視。プライバシー保護を目的としており、メッセージを見られるのは送信者と受信者のみで、FBなど運営側も閲覧することができない。

 7か国は、プライバシー保護の必要性を認める一方、暗号化技術が、運営側も犯罪に関連するメッセージに気付くことができず、犯罪捜査の支障にもなると強調した。IT企業に対し、捜査機関がメッセージの内容を閲覧できるよう対策を取るべきだとした。

 英国のプリティ・パテル内相は声明で「市民を性犯罪者やテロリストから守るため、IT企業には我々と一緒に解決策を見つけるよう求める」と述べた。

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