対面距離近い接触「感染拡大リスク高い」…専門家会議指摘

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が24日、公表した見解では、感染が拡大する国内の現状を踏まえ、市民に対する要請として、軽い風邪のような症状の場合は自宅療養することなど、具体的な対応を呼びかけた。公表後に記者会見した同会議は「飲み会などはなるべく行かないで」などと注意喚起した。

 同会議は見解で、現在の状況として、国内の複数地域から、いつ、どこで感染したかわからない例が出ていることから、「中国の一部地域への渡航歴にかかわらず一層の警戒が必要」と警告した。

 その上で、これまでの感染例から、感染経路はせきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)感染と接触感染が主体と考えられ、無症状や軽症の人からも感染が広がる場合があると説明。インフルエンザより入院期間が長くなる例があり、高齢者や持病のある人は重症化しやすいと指摘した。

 感染拡大のリスクが高い行為としては、「対面での人と人との距離が近い接触(手を伸ばしたら届く距離)」「会話などが一定時間以上続き、多くの人と交わされる環境」を挙げた。

 現在、首都圏などの多くの医療機関では、感染症専門の病床が、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らの対応に追われており、「多くの人が医療機関に殺到すると、体制がさらに混乱する」と懸念を表明。市民に対して「風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養して」と呼びかけた。

 症状がない人も、リスクの高い環境は避け、教育機関や企業も、集会や行事の開催方法を工夫するよう要請した。

 記者会見した専門家会議副座長の尾身茂・元世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長は「症状がない人も立食パーティーや飲み会など手を伸ばせば届く距離の会合にはなるべく行かないでほしい。心配だからと病院に行くことも避けて」と話した。

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