宮城県教委は、県内の公立小中学校と全日制高校の児童、生徒を対象に実施した2012年度体力・運動能力調査の結果をまとめた。204項目のうち63項目が、東日本大震災前の10年度調査の県平均を下回った。特に小学校は約半数の項目で10年度を下回り、体力の低下傾向が顕著だった。県教委は、運動量の減少が要因とみている。
小学校では96項目中46項目が10年度を下回った。ソフトボール投げと20メートルシャトルラン、反復横跳びの3種目は男女とも、ほぼ全学年で平均値が下がった。10年度を上回ったのは小2~3男女の50メートル走や、小1~2女子の握力など13項目にとどまった。中学は2~3年の上体起こしや50メートル走など約3割の18項目で結果が10年度より向上。高校は、1年男子の長座体前屈と1年女子のハンドボール投げの2項目が下回っただけで、約6割の33項目で上回った。
文部科学省が小学5年と中学2年を対象に行った2012年度全国体力テストでは震災後の体力低下に改善の兆しもみられたが、今回調査では小学校は特に震災前の水準を回復していない。
県教委は、学校での体力低下傾向について「運動量の減少に伴う結果であることは明らか。早急に対策を講じたい」と話す。本年度、就学前の対応や肥満対策なども含めて有識者に意見を求める会議を開催する。
東日本大震災との関係については「明らかな影響は確認できなかった」とした。被害が大きい石巻、南三陸地域でも50メートル走や20メートルシャトルランなどで改善、横ばい傾向が確認されているためで、中長期的な視点で影響を見極めるという。
調査は昨年5~10月、県内720校の約23万人を対象に、小学校は8種目、中学校、高校は各9種目で実施した。