小5、中2体力平均以下 全国テスト宮城県内結果

 文部科学省が小学5年と中学2年を対象に実施した2012年度の全国体力テストで、宮城県内の児童生徒の体力と運動能力が全国平均を下回ったことが分かった。東日本大震災後にみられた低下傾向には改善の兆しがあるものの、日常的な運動時間が少ない児童生徒もおり、県教委は指導に力を入れる。
 50メートル走など実技8種目を点数化した体力合計点(80点満点)は、小中の男女とも全国平均を下回った。最も差が大きかったのが小5男子で1.15点低かった。過去3回の調査で全国を上回っていた中2男子も0.19点届かなかった。差はいずれも震災前の前回調査(10年度)から広がった。
 種目別では、小5男子が全国平均を上回ったのはソフトボール投げ。小5女子は握力と反復横とびだった。中2男子は握力、上体起こし、反復横とび、中2女子は握力、上体起こしで上回った。
 中2の持久走のタイムは、男子(1500メートル)が全国平均より5.77秒遅く、女子(1000メートル)も7.40秒の開きがあった。ただ11年度に県教委が独自に行った調査と比べると、男子は約11秒、女子は約2秒短縮。震災の影響で運動する機会が減った前年度と比べると回復傾向がみられた。
 アンケートでは、体育の授業を除く1週間の運動時間が「1時間未満」と答えた児童生徒が、男子で5~10%前後、女子で25%前後を占めた。
 県スポーツ健康課は「瞬発力や敏しょう性を求められる種目が苦手な子どもが多い。日常的に運動に意欲が持てるよう授業でも工夫していきたい」と話す。例年は6月に行う体育担当教諭の研修会を4月中に行い、指導方針の早期徹底を図る。
 調査は昨年4~7月、県内の小中学校184校の計1万2263人を対象に実施。11年度は震災の影響で全国調査が見送られていた。

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