シンガー・ソングライターの山下達郎が12日、ラジオ番組「サンデー・ソングブック」(TOKYO FM)に出演し、新型コロナウイルスによって起きている社会や政治の不安について持論を述べた。ネットでは発言を支持するコメントが多いようだ。
山下は自宅からテレワークで出演した。番組の冒頭で「政治的な言説に深く立ち入らないようにしている」と前置きした上で「政治的な対立を一時休戦して、いかにウイルスと戦うかを、この国のみんなで、世界中のみんなで助け合って考えなければならないときです。なんでも反対、なんでも批判の政治プロパガンダはお休みにしませんか。責任追及や糾弾は終息後にいくらでもすればいい」とコメント。「こういうときは冷静さと寛容さが何より大事。静かに落ち着いて物事を語りましょう」と述べ「医療従事者や人知れず働く人々に思いを馳せ、我々は我々にできることを」と感染防止に努めるよう呼びかけた。
ツイッターでは「山下達郎のようなマトモな芸能人が居てることは救われるよね」「あまりにも真っ当な発言に物凄くホッとしたと同時に、物凄く嬉しかった」「さすが達郎」と共感を覚えたという投稿が相次いだ。一方、緊急事態宣言が経済に与える影響について、経済的な余裕がある人気ミュージシャンだから言えるのだと冷めた見方をする人もいた。
また、「模範解答は山下達郎とかさだまさしだよ。今は党派性を出す時じゃない」と、7日に新型コロナウイルスとの向き合い方についてインスタグラムで考えを述べた、さだまさしと並べて評価する声もあった。社会的な不安が広がるなか、音楽界の重鎮が存在感を示している。