日本で一番サクランボが生産されている県、山形。昨2023年は、全国で収穫されたサクランボの実に75%が山形産だった。
しかし、2024年、そんな山形県産サクランボに、ある異変が発生しているという。
6月4日、産直グルメEコマース「うまいもんドットコム」や東京中央卸売市場直結EC「豊洲市場ドットコム」を運営する食文化社(本社:東京都中央区)のプレスリリースによると、今年の山形では、あまりにも多くの「双子果」が実ってしまっているという。
双子果のサクランボとは写真の通り、2つの実がくっついてしまった果実のことだ。
一見、お尻のようで可愛らしいが、正規品として出荷できない「規格外品」。生産者にとっては困りものである。
例年なら、この「双子果」は間引かれてきた。
しかし、前出の通り、24年はこれがあまりにも多い。双子果が多いのは23年の夏の猛暑が影響していると考えられるという。
困りものの規格外品を商品化
5月21日に山形県さくらんぼ作柄調査委員会が発表した調査結果によると、24年の予想収穫量は、双子果を含めれば平均並み。
しかし、双子化は取り除かれるため、実際の予想収穫量は平年比91%になるという。
双子果を取り除くことでこんなにも減ってしまうなんて……生産者にとっては厳しい状況だ。
――そこで立ち上がったのが、食文化社である。
同社はこの双子果を「双子さくらんぼ」として商品化。収穫でき次第順次出荷し、インターネット通販を通して販売することを決定した。
種が2つあるため可食部は少なめだが、味は間違いなく山形のサクランボ。そのまま食べてもおいしいし、明るい色のものはジャムやコンポートなどに加工するのがオススメとのことだ。
23日ごろまでは佐藤錦、それ以降は紅秀峰が出荷される予定。
双子でも全然いいじゃん! という読者は、「うまいもんドットコム」や「豊洲市場ドットコム」から購入可能だ。
「双子さくらんぼ」としての選果基準がまだ成り立っていないため、果皮にスレ・キズがある果実が入る場合もあることも、ご了承を。