山形への避難世帯「定住希望」24%に増

東日本大震災や福島第1原発事故で山形県に避難した全世帯を対象にした県のアンケートで、避難期間の見通しを「分からない」とする回答が25.4%(前年比0.6ポイント増)を占めた一方、山形への定住希望は24.0%と前年比で5.4ポイント増えたことが分かった。生活面では、半数近くが今後の住居確保に不安を抱え、前年同様8割近くが何らかの心身の不調を訴えている。
 調査は2011年から継続し、ことしは9月上旬から10月上旬に実施した。全1706世帯に質問票を郵送し、551世帯から回答を得た。回答率は32.3%。避難元の県は福島88.4%、宮城10.0%、岩手0.9%。家族構成は母子避難世帯が4.1ポイント減少し、29.0%となった。
 避難期間の見通しは「分からない」「(山形への)定住希望」に続き、「借り上げ住宅の提供が続く限り」(17.1%)「子どもの入学や卒業まで」(12.9%)「除染が終了するまで」(3.3%)などが挙がった。
 定住希望者の割合は年々高くなっている。定住する意向がなかった自主避難者の帰還で、相対的に増えたとみられる。理由(複数回答)は「放射線の心配が少ない」(44.7%)が最も多く「山形が気に入った」(31.8%)「家族に山形出身者がいる」(25.0%)「子どもの就学」(22.7%)と続く。定住希望世帯の56.1%が資金援助を求めた。
 避難生活が長期化する中、大半が将来への懸念や心身の不調を訴えた。不安要素(複数回答)としては、借り上げ住宅の入居期限など住居問題を挙げる割合が最も増えて47.5%(前年比7.9ポイント増)となり、63.7%(1.1ポイント増)が生活資金の問題を挙げた。
 心身面(複数回答)では、41.2%(2.4ポイント増)が「疲れやすく体がだるい」、23.2%(2.0ポイント増)が「孤独を感じる」と答えるなど、8割が何らかの不調を示した。
 県復興・避難者支援室は「心身面のケア体制を拡充し、利用できる制度や相談窓口などの情報提供を進める必要がある。必要な支援策を来年度予算に盛り込みたい」と説明する。

タイトルとURLをコピーしました