山形市の百貨店、大沼が27日、山形地裁に自己破産を申請した。長沢光洋代表取締役が同日午後に記者会見して経緯を説明する。創業から300年以上の歴史を持つ老舗で、2018年にファンドが経営権を取得。19年からは地元実業家の支援を受け従業員主導で再建を図ったが、消費増税後、売り上げが急減していた。
長沢代表取締役は「昨年10月以降、状況が一変して売上高が大きく減り、資金繰りが持たなくなった」と説明している。約200人の社員は26日付で全員解雇した。ファンドに経営権が移る際、借入金の大半は債務免除を受けているという。
大沼は経営不振が続き、創業家に代わり18年4月から東京の投資ファンドが再建にあたった。ただ、経営を巡る混乱が続き、19年3月から地元事業家の支援を得た従業員が設立した会社が経営権を取得した。地元産に特化した売り場をつくるなどで再建を目指したが、消費増税後は売上高が前年同月比で10%以上減少していた。