先日、山梨県庁に「女子会推進課」が発足した。といっても、県庁の女性職員のあいだに女子会を広めようという課ではない。県外、おもに東京圏の女性たちに「ぜひ山梨で女子会を!」と呼びかけるのがメイン業務だ。
実はこれ、2009年からスタートしている山梨のイメージアップキャンペーン「ビタミンやまなし」の一環。全国の女子たちに山梨でカラダとココロの疲れをいやしてもらおうと、県庁あげての特命チームとして7月4日に発足したものだ。
女子会とは、いわずとしれた女性オンリーの会合のこと。なかには、いい歳の女性を「女子」とよぶことに抵抗がある人もいるようだが、女性同士の集まりはいくつになっても楽しい。今回の活動も30~40代の女性がメインターゲットだという。
女子会推進課は正式な部署ではなく、あくまでキャンペーンのプロジェクトチームだが、横内正明山梨県知事も、
「実績があがれば、本物の課にする」
といっていたから、女子会誘致にかける意気込みはホンモノだ。
たしかに山梨は、女子旅・女子会にぴったりのデスディネーションといえる。ブドウや桃の生産量は日本一を誇るフルーツ王国だし、日本ワイン文化の中心地ゆえ知られざる実力派ワイナリーの宝庫。ほかにもジュエリーや温泉、リゾートエステなど女性好みの県産品や観光スポットが目白押しなのだ。
そんな山梨の魅力を体感してもらおうと、女子会推進課では最初の事業として、1泊2日の「史上最幸の女子会」体験ツアーを企画。私も参加してきた。
ツアーに参加した女子は総勢約30名。それだけ女子が集まれば、とにかく華やか。そしてにぎやか。自然と参加者のテンションもあがる。
美・健康・癒しをテーマにした同ツアーで訪れたのは、女子の心に響く厳選スポットばかり。ちなみに山梨出身の私にとっても初体験の内容がほとんど。山梨のことは結構知っているつもりだったが、思い上がりだった。
今回とくに驚いたのがパワースポットの充実ぶり。縁結びに効くという「河口浅間神社」や、北川悠仁さんと高島彩さんが挙式したことで有名な「身曾岐(みそぎ)神社」は訪れるだけで気持ちがシャンとする場所だし、日本一の渓谷美を誇る「昇仙峡」はその景観も見事ながらパワースポットとしても折り紙つき。霊峰富士の神々しさはいわずもがなだ。
そして参加者一同感動したのが、地元食材の実力。もぎたてフルーツのみずみずしさには思わず頬がゆるんでしまうし、八ヶ岳で採れたという地元野菜も実に滋味豊か。虫食いの穴すら愛しく感じてしまうほど。
宿泊は以前コネタでも紹介した「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」。日本初のワインリゾートとあって、提携ワイナリー「ドメーヌ ミエ・イケノ」のワインをはじめ、県内の貴重なワインがそろう。日常を忘れる大自然のなかで上質なワインの杯を重ねれば、女子トークが弾むのは必然。取材陣女子チームもすっかりいい気分になり、深夜まで盛り上がってしまった。
ワインといえば、ツアー2日目に訪れた明野の「ミサワワイナリー」の畑もすばらしい。同ワイナリーの責任者である三澤彩奈さんは世界各地で活躍する女性醸造家のひとり。「ドメーヌ ミエ・イケノ」の池野美映さんもそうだが、山梨のワイナリーでは女性の活躍が目立つ。同性としてもいい刺激になることうけあいだ。
山梨出身という贔屓目を抜きにして、取材ながらこれほど楽しく、またリフレッシュできた旅は久々。もちろん、1泊2日では体験できなかった魅力も多いが、「ビタミンやまなし」のサイトでも、「F」は富士山、「W」はワインなど山梨の観光資源が「A」から「Z」までのキレイに効くビタミンにたとえて紹介されている。また、今後は女子会推進課のメンバーも女性ならではの目線で山梨の魅力を発掘。公式ブログ「やまなしものがたり」などで発信していくというから楽しみにしたい。
山梨は首都圏でもあるし、新宿から甲府まで電車で約1時間半とアクセスも至便。だが、山に囲まれた天然の要塞のような地形のせいか、独特の空気感があり、気軽に非日常へトリップする場所としては最高だ。
女子会in山梨、みなさんもぜひ企画してみては。
(古屋江美子)