岐阜も独自「緊急事態宣言」きょう発表 学校も休校延長へ

古田肇岐阜県知事は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県独自の「緊急事態宣言」を10日に発表する方針を明らかにした。県内の感染者の増加ペースが上昇している現状を深刻に捉えた。宣言の名称を「非常事態宣言」と置き換えることも検討している。5月6日までを対象期間に、新たな感染防止策や経済対策などを盛り込んだ第3次アクションプラン(行動計画)も公表する。

 古田知事は「県内の感染状況は危険水域に近づきつつある。非常事態と判断した」と述べた。10日に独自の緊急事態宣言を行い、法律に基づく宣言の対象地域に追加するように国に要請している大村秀章愛知県知事とも歩調を合わせた対策を講じる意向を示した。

 古田知事は、県立学校の臨時休校は当初の今月19日までから5月6日までに延長される可能性を示唆した。県教育委員会などと最終調整した上で、休校の延長期間を発表する見通し。

 県内在住の感染者は9日までに86人に上る。2~8日に確認された感染者数は46人で、3月26日~4月1日の19人と比べると約2・4倍に膨らんだ。岐阜市と可児市で発生したクラスター(感染者集団)や外国からの帰国者などに該当しない感染経路の不明な感染者は9日までに17人となっている。同日午前に開いた感染症対策の専門家らを集めた会議で、県内は政府の専門家会議が示す感染拡大警戒地域の「一歩手前で、警戒水準を上げるべきだ」とする見解が示されており、宣言を出す決断に至った理由とみられる。

 第3次アクションプランでは第2次の対策を重層化し、感染拡大防止策、医療の円滑な提供体制の整備、国の事業規模108兆円の緊急経済対策を踏まえた経済対策を定める。古田知事は「最大、最強の手を打つ」と述べた。

◆知事「思い切った対策打つ時」

 古田肇知事は9日、県庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの感染者が県内でも急増している事態に、「大いなる危機感を持っている」と、これまでにない強い懸念を示した。

 県内ではクラスターが可児市と岐阜市で発生した。同日、新たに岐阜市内の飲食店の従業員に集団感染が判明し、週単位の感染者数も伸び続けている。感染症対策の専門家らが「危険水域に達しつつある」と見解を示し、一刻の猶予も許されない状況に直面した古田知事は「思い切った対策を打つべき時だ」と述べ、法律に基づいて7都府県に発令された緊急事態宣言の対象期間と同じ5月6日までの総合対策を打ち出すことを決断した。

 岐阜、愛知、三重の3県は6日に連携を確認している。古田知事は、10日に独自の緊急事態宣言を打ち出す大村秀章愛知県知事と「同じ方向を向き、足並みをそろえたい」と述べ、政策面の連携を重ねて強調した。愛知県との往来の自粛を県民に求める可能性を報道陣から問われると、古田知事は「(岐阜、愛知両県は)密接な生活圏にある。互いに行くな来るなの関係ではない。現時点で考えていない」と述べ、県民生活に与える影響に配慮した。

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