2023年度の最低賃金(時給)が893円と全国最下位になったことを受け、達増拓也岩手県知事は29日、盛岡市の岩手労働局を訪れ、粟村克行局長に最低賃金改正を求める申し入れをした。
申し入れ書は「最低賃金が全国で単独最下位となり、都市部だけでなく隣県とも格差が生じている」と指摘。賃金の改正に向け十分に議論するように求めた。
県などによると、達増知事は非公開で行われた懇談で「優秀な人材が安心して県内に定着できるよう、全国最下位の現状を勘案してほしい」などと語り、粟村局長が「趣旨は受け止めた。的確な議論になるよう努める」と応じたという。
知事が申し入れをするのは初めて。労働局を通じて丸山仁岩手地方最低賃金審議会長にも申し入れ書を送る。本年度の審議会の初会合は6月に開かれる。