放射性セシウムによる汚染牛肉問題で、政府は24日、岩手県と栃木県に対する肉牛の出荷停止指示を解除する方向で検討を始めた。新たな汚染牛の判明で延期していた福島県についても解除する方向で調整。いずれも早ければ25日にも決定する見通し。19日に解除された宮城県と合わせ、出荷停止を指示された4県すべてで出荷が再開されることになる。
岩手、栃木両県は、宮城県や福島県と同様、牛の検査態勢や、餌として与えられた汚染わらの保管方法を盛り込んだ「品質管理計画」を策定。汚染牛を出荷するなどした農家は、解体後の肉をすべて調べる全頭検査、それ以外の農家は定期的に1頭以上を調べる全戸検査を実施し、安全が確認された農家から順次出荷を再開する。
一方、福島県は新たな汚染牛が見つかった同県浪江町の農場と同様、計画的避難区域内にあり、4月下旬に出荷前の体表検査が始まる前に牛を出荷した畜産農場24カ所を対象に、当時の餌の管理状態などを調査。問題がなかったとする結果を24日までに国に報告した。