岩手山ビュー売りのはずが…どこの山? 景観懸念のマンションのチラシが物議 盛岡

景観への影響が懸念されている盛岡市紺屋町で建設中のマンションのチラシが、物議を醸している。岩手のシンボル「岩手山ビュー」をうたう14階建てマンションだが、部屋の眺望のイメージ画像は明らかに違う山。住民や街づくり関係者の多くがあきれている。

 マンションは総合不動産業タカラレーベン(東京)が建設主の「レーベン盛岡紺屋町」。チラシは盛岡市内で投函(とうかん)された。交流サイト(SNS)で「違う山だ」などと話題になり「青森の岩木山ではないか」との指摘もある。

 盛岡市は18日、「由々しき事態」と抗議文を送り、同社から謝罪の連絡を受けたという。市景観政策課の三橋一仁課長は「安易過ぎる。盛岡にとって岩手山は大事な景観で、許せるものではない。事業者の責任として市民の心情に丁寧に寄り添ってほしい」と話す。

 マンション建設予定地は清流の中津川沿いにあり、街と自然が調和する地区。近隣住民らでつくる「紺屋町まちづくりの会」が市に景観保護のルールを策定するよう要望している。

 市内の街づくり団体関係者は「盛岡市民もなめられたものだ」と吐露。「『岩手山を眺められる』が売りのマンションではないのか。あまりにも適当」とため息をつき「今後も住民説明会などが続く。きちんと説明してほしい」と語った。

 タカラレーベンの担当者は取材に「ドローンを飛ばし撮影した写真を基に作製しているはず。製作会社に事実を確認している」と説明した。

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