岩手県の複数の肉牛農家から出荷された牛の肉から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受けて、政府は1日午後、岩手県に対して、県内全域の牛を市場に出荷しないよう指示しました。
岩手県では、県内の肉牛農家が餌として肉牛に与えた稲わらから国の目安を超える放射性セシウムが検出され、一関市と藤沢町の農家から出荷された6頭の肉から、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されました。これを受けて、政府の原子力災害対策本部は、放射性物質の検出に地域的な広がりがあるとして、1日午後、岩手県に対して、県内全域の牛を出荷しないよう指示しました。出荷停止の指示は、福島県、宮城県に続いて3例目です。出荷の再開について、政府は、出荷した肉や餌の稲わらから高い濃度の放射性セシウムが検出された肉牛農家では全頭の肉を、それ以外の地域の農家では最初に出荷する肉を、それぞれ検査し、放射性物質が国の暫定基準値を下回ったことが確認できれば認めるとしています。政府は岩手県に対して、検査態勢に応じて一時的に頭数を制限するなど、具体的な出荷計画を策定するよう求めています。