岩沼にメガソーラー計画 県内最大 あす地権者説明会

 東日本大震災の津波で被災した宮城県岩沼市沿岸部で、宮城県内で最大となる大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画が動きだす。敷地面積54ヘクタール、出力は3万2000キロワットを予定している。岩沼市で28日、地権者への説明会が開かれる。
 計画地は、仙台空港岩沼臨空・矢野目工業団地の東側にある岩沼市下野郷の農地など54ヘクタール。かつては水田や宅地だったが昨年3月11日の津波で浸水し、塩害と地盤沈下が著しく、現在は利用されていない。
 事業を運営するのは日立製作所、丸紅、日本設計(いずれも東京)が出資して岩沼市内に設立する特定目的会社。土地の権利関係を維持したまま、運営会社が地権者と賃貸借契約を結び、地権者に借地料を支払う。
 市によると、地権者は約170人。計画地は農地転用などの法的手続きや地盤沈下による排水対策が必要で、市は国や県などと調整に入る。手続きが順調に進めば2013年度着工、14年度の事業開始を目指す。総事業費は約100億円が見込まれている。
 計画では、発電量は一般家庭約1万世帯分に当たる。7月に施行された「再生可能エネルギー特別措置法」に基づき東北電力が買い取る。
 岩沼市は東松島市とともに昨年12月、国の「環境未来都市」に指定され、メガソーラー誘致を表明していた。岩沼市政策企画課は「自然エネルギーで電力不足を克服する被災地復興の先進事例になる。被災農家の収入確保はもちろん、植物工場など関連事業を組み合わせれば、新たな雇用確保にもつながる」と期待を寄せている。

タイトルとURLをコピーしました