岩沼市はAI(人工知能)を使い、利用者の予約に応じて最適なルートを走る「AIバス」を2024年4月に導入する市民バス運行計画案をまとめた。狭い道路が多い中心地区の交通利便性を高める狙いで、24日までパブリックコメント(意見公募)を実施する。市によると、県内の自治体では初の取り組みとなる見込み。
計画案によると、AIバスは民間委託し、JR岩沼駅から半径1・5~2キロ圏内を対象にワゴン車(乗客9人)2台を平日の日中に運行させる。運賃は大人300円、小中学生と70歳以上150円。スマートフォンアプリや電話で予約でき、バス停は現路線バスより増やす方向という。
市は1~3月、NTTドコモとAIバスの実証実験を実施。市中心部にバス停77カ所を設けて2台を走らせたところ、利用者は1月の1日平均8・8人から3月は13・2人に増加した。
市生活環境課は「AIバスは通院などにとても好評だった。市民バスの満足度と住みやすいまちづくりを高めたい」と話す。
計画案ではこのほか、各方面に走らせる5支線のうち4支線を、平日朝夕の「急行便」としての運行に変更する。他の日中時間帯は、2018年から周辺地域に導入するデマンド(予約制乗り合い)タクシーを使ってもらう。