東北楽天の岩隈久志投手(30)は6日、今季取得した海外移籍が可能なフリーエージェント(FA)の権利を行使して、来季は米大リーグに挑戦する意向を明らかにした。米アリゾナ州でのトレーニングに出発する前、成田空港で報道陣の取材に応じた。
岩隈は「(大リーグへの挑戦は)昨年から思いが強かった。挑戦したい気持ちがある」と決意を述べた。ワールドシリーズはテレビで観戦し「熱い戦いを見て、いいなと思った」と語った。
希望する球団については「必要とされるところでやりたい」と具体名を明言しなかった。FA申請は帰国予定の21日以降に行う見込み。
岩隈は昨季オフに、ポスティングシステム(入札制度)での米大リーグ移籍を目指したが、独占交渉権を得たアスレチックスと条件面などで折り合わず、東北楽天に残留。ことしに入り「交渉事を任せられる人に」と、代理人を米国人のポール・コブ氏に変更した。
岩隈は2000年に東京・堀越高から、ドラフト5位で近鉄に入団。04年オフの球界再編の際、オリックスを経て、05年に新規参入した東北楽天に移籍した。
08年には21勝(4敗)を挙げ最多勝、最優秀防御率、勝率1位の投手3冠を獲得し、パ・リーグ最優秀選手(MVP)、沢村賞にも輝いた。
今季は17試合に登板し6勝7敗、防御率2.42。通算成績は107勝69敗、防御率3.25。