ついに、ジャニーズ事務所の長い歴史に変革が訪れようとしている。今年勃発した性加害騒動について、ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」により調査報告書が公表された。
藤島ジュリー景子社長の辞任など、同族経営を辞めジャニーズ事務所の解体を促す厳しい内容だった。また、約40年にわたり少なくとも数百人のタレントに性加害を行っていたと認定し、被害者に対しても謝罪や賠償を促す内容となる。この報告書では、「マスメディアの沈黙」としてマスコミの報道体制への批判ともとれる内容の提言もあった。これを受け、事務所と癒着が強いNHKと民放各局がコメントを発表。ただ、その内容が「定型文」のようだと、SNSなどで大バッシングを受けている。
「週刊文春による報道も過去あった中で、テレビ局がこれまでジャニー氏の性加害を知らなかったという言い訳は通用しない。なのに、テレビ局はどこか他人事で、今後も人権を尊重し、ジャニーズ事務所には改善を望むという当たり障りのないコメントばかりだった。各局のニュース番組で批判的に報道はしていますが、NHKを含め今後もジャニーズタレントの起用は続ける方向だと言われる。こういった姿勢に、視聴者からはSNSで厳しい声が出ています」(スポーツ紙記者)
そんな旧態然としたテレビ局だが、一方でこれまでに無かった動きも出始めているという。それが、9月30日でジャニーズ事務所を退所する岸優太への待遇だとか。
岸は2023年5月にKing & Princeから脱退し、現在は主演映画『Gメン』の宣伝のために事務所に残っている。同じく脱退した平野紫耀と神宮寺勇太は一足先に事務所をやめ、滝沢秀明氏が設立した「TOBE」へ合流。岸も退所次第、同じくTOBEへ合流が濃厚になっている。
「岸がTOBEに合流するのは既定路線なので、退所後にはテレビで使えないと言われていた。ただ、性加害騒動が拡大する中で、様子が変わってきました。『岸をテレビで使えない』というのは、ジャニーズ事務所に対して忖度して各局が自主規制するから。しかし、これだけ騒ぎが大きくなる中で、各局が横並びでジャニーズへの忖度をやめ始めた。正直言えば、窮地のジャニーズタレントを『使ってあげる』くらいに立場が逆転している。そうなると、ジャニーズに遠慮して岸をテレビから排除する必要がなくなった。岸はバラエティ番組で人気がありますし、いくつかの番組プロデューサーは、ジャニーズを辞めた後も継続して出演してほしいと岸本人に話しているようです」(民放関係者)
事実、ジャニーズ事務所を辞めた後は、人気が高かった平野も一切テレビ番組に呼ばれなくなった。元SMAPで現在は新しい地図として活動する3人も、テレビに復帰するまでは多くの時間を擁したほどだ。
しかし、岸の退所から事態が急変しそうだと言われている。
「岸は『Gメン』の宣伝でさまざまなバラエティに8月中は出演しましたが、各番組で評価が高い。本人も明るい性格で、難しい時期なのに一生懸命に撮影に応じるので、スタッフからの評判も上々です。実際、定期的に登場している『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)に関して、退所後も継続して出演する調整が行われているようだ」(同上)
また、テレビ局としては、タイミング的にも岸をバッサリと切り捨てられない裏事情があるという。
「岸は退所日まで出演番組がありますが、突然テレビから消えるようになれば岸ファンはもとより、キンプリファンからも各局が大バッシングを受ける。ただでさえ今回の性加害問題に対するコメントでバッシングを受けていますし、これ以上ジャニーズへの忖度を感じさせるような行動を取れなくなっている。そういった意味では、岸を無理してでも退所後に起用して、『ジャニーズ離れ』をアピールしたい局もあるようだ」(スポーツ紙記者)
さらに、どさくさに紛れて、新たな動きを目論んでいる番組プロデューサーもいるようだとか。
「岸をパイプにして、平野と神宮寺も番組で起用したいというプロデューサーが出ている。TOBEにコンタクトを取り出して、ジャニーズに忖度しないで解禁を狙っている。滝沢氏もこのタイミングを強かに計算していたようで、平野と神宮寺のテレビ出演を着々と進めているようだ。まずはNHKでしっかりとした番組に出演させ、その後は民放のテレビ局にも平野と神宮寺を送り込むようです」(民放関係者)
岸は、キンプリの永瀬廉がパーソナリティーを務める『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送)の8月23日・30日放送分に出演し、高橋海人とも共演し3人でトークを繰り広げた。平野と神宮寺の話題も出て、キンプリファンを喜ばせたばかりだ。
キンプリの分裂を招いたと言われるジュリー社長の退任が濃厚な中、またテレビで5人がそろう日もそう遠くはないのかもしれない。