長崎県新上五島町中心部の釣道川で25日、同町浦桑郷の運送業、川崎傳一さん(75)が深海魚のサケガシラ(体長約1メートル、重さ約900グラム)を捕まえた。佐世保市の九十九島水族館(海きらら)は「川で見つかるケースは珍しい」としている。
発見したのは、青方港に注ぐ釣道川河口から約330メートルの地点で、川幅は約15・5メートル。海水が常に流れ込んできているという。
川崎さんは同日午前9時半ごろ、配達中に見つけ、タチウオと思い捕まえた。「見たことがない」と驚き、有川町漁協に持ち込もうとしたが途中で死んだ。サケガシラは漁協が県上五島水産業普及指導センターに提供。冷凍保存し、活用策を考えるという。
海きららによると、サケガシラは太平洋や日本海全域の水深200〜500メートルに生息。体は銀色で、赤みがかった背びれがある。浮袋は無く、立ち泳ぎの姿勢で移動し、詳しい生態は分かっていない。同町で定置網にかかった例もあるが、海きららは「何らかの原因で弱って、海から流されたのではないか」と推測している。