川崎重工業は26日、中期経営説明会を都内で開催し、2025年までに「デブリ」と呼ばれる宇宙ゴミを除去する事業に参入する計画を明らかにした。
現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とデブリ除去衛星の共同開発を行っており、新規事業として立ち上げる。25年にデブリ除去衛星などを含めた宇宙事業で100億円の売上高を目指す。
現在、宇宙空間では運用が終了した人工衛星やロケットの破片が増加しており、その数は億単位に及ぶとされる。このため新しく打ち上げた人工衛星がデブリに衝突し、破損するケースが増えており、大きな問題となっている。
川崎重工はJAXAとデブリを大気圏に落として燃やす装置の研究開発を進めており、25年までに事業化させる。このほか次世代の大型宇宙構造物の事業化も検討している。
一方、川崎重工は、さまざまな産業分野で自動化が進んでいることを受けて、ロボット事業と油圧事業を強化する。小型ポンプで大きな力を発揮する油圧技術とITで制御するロボット技術を融合させた新製品を投入し、事業を拡大させる。
成長性の高い医療や農業、建設分野などに新製品を投入し、25年にロボット事業の売上高を現在の600億円から1500億円、油圧事業を同900億円から1800億円まで引き上げる。