市条例に県警ダメ出し「矛盾あり立件困難」

衣料品量販チェーン「しまむら」(本社・さいたま市)が新潟県加茂市の店舗で行った売り場面積拡大は市条例違反として、市が行った刑事告発に対し、県警が「条例に矛盾があり、罪に問うのは困難」と判断したことが16日、捜査関係者らへの取材でわかった。
 県警は立件に消極的な意見を添えて書類送検する方針。
 条例は地元商店街の保護を目的としているが、県警が「関係法令との整合性がとれていない」とみているほか、同社が増床計画を県に届け出た後に条例が制定されたことから、市の手法を疑問視する声もある。
 加茂市などによると、しまむらは2009年1月、「ファッションセンターしまむら加茂店」について、これまで倉庫として使っていた部分を転用して売り場面積を150平方メートル拡大、計1126平方メートルとする計画を大規模小売店舗立地法に基づいて県に届け出た。
 市は7月になって売り場面積の拡大禁止を盛り込んだ条例を制定し、即日施行。9月には罰則規定(最大で罰金50万円)を追加した。しかし、県が増床計画を容認したため、同社は計画を実行。計画撤回を求めていた市は12月、県警加茂署に刑事告発した。
 条例を精査した県警は「条例が基にする建築基準法に『売り場』の概念はなく、床面積全体は一定の範囲で拡大できて売り場は拡大できないとするのは同法の趣旨と矛盾し、内容に整合性がとれていない」との判断に至ったという。

タイトルとURLをコピーしました