宮城県富谷市が旧富谷町役場を全面改修して整備した市まちづくり産業交流プラザが1日、同市富谷新町にオープンした。1970年に建築し約30年間使った庁舎が、市民らの起業・創業を支援し交流を育む拠点に生まれ変わった。
新施設は愛称「TOMI+(とみぷら)」。鉄筋3階で、賃貸の共用オフィスや交流・イベントスペースなどを設けた。市民起業家らの育成を目指し、地域課題をビジネスで解決するための「富谷塾」を近く発足させる。
施設内に移転した市民俗ギャラリーも開館。古代から現代までの資料300点を常設展示する。9月2日までの特別展として、1984年に同市富ケ丘の民家に落下した10円玉サイズの隕石(いんせき)二つ(計27グラム)を公開している。従来は国立科学博物館(東京)で保管しており、今回初めて「里帰り」を果たした。
宿場町の面影を残す富谷新町に整備された新施設の完成を祝い、約60人が開所式に参加。若生裕俊市長は「富谷発展の原点となった新町通りから新たな発信をしたい」と述べた。
愛称を提案した同市の会社員佐々木美香さんは「産業、歴史と多様な施設が同居しており、新たな交流が生まれそう」と期待した。