市民農園、遊歩道で潤い 仙台・花壇大手町の4町内会

仙台市青葉区の花壇大手町地区の4町内会が新年度、魅力あるまちづくりを目指して将来構想「まちなみグランドデザイン」を作る。宮城県や市に働き掛け、2011年度までの5年間で農園や遊歩道を整備、住民同士の交流の場として活用する計画だ。町内会を中心に地域を挙げて地区の将来像を考える試みは市内でも珍しい。

 グランドデザイン作りに取り組むのは、花壇大手町町内会と大手町親和会、コープ野村花壇自治会、花壇むつみ会。2月に作成委員会を設立し、「まちなか農園」「遊歩道構想」「安全対策」「文化活動」「ライオンズタワーマンション折衝」の各分科会を置いた。

 まちなか農園は、着工の見通しが立っていない都市計画道路の用地に計画。近くの片平丁小の児童と一緒に野菜などを作り、収穫した農作物を使って料理教室を開く。遊歩道構想は、広瀬川に架かる大橋から瑞鳳殿までのコースに、自然と歴史を感じさせる歩道を作る。農園は市に、遊歩道は県に整備を要望する。

 構想には、町内会に未加入の住民も巻き込んだ防災訓練や、4町内会合同のお祭りも案として挙がっている。

 花壇大手町地区は藩制時代から発展してきたが、いまはマンションやアパートが増え、地域のつながりが希薄になっている。活気を取り戻そうと、花壇大手町町内会がグランドデザインの検討を開始。それに3町内会が加わった。これまでに、地区の歴史と自然についての講演会を開き、住民に参加を呼び掛けた。

 花壇大手町町内会の今野均会長(64)が「何も策を講じないと、まちに活力がなくなる。市中心部に近い立地を生かし、多くの人に気軽に立ち寄ってもらえる地区にしたい」と意気込む。

 住民の一人で、講演会の講師を務めた浜田直嗣・前市博物館長(66)は「昔は歴史と自然が一体化した地区で魅力があった。その営みを現在に復活させたい」と話した。
2007年03月29日木曜日

コメント

タイトルとURLをコピーしました