市街地広げず車利用抑制 仙台市都市計画

 仙台市は、今後10年間の市街地形成や土地利用の方針を示す「都市計画マスタープラン」をまとめた。市街地の拡大抑制を基本に自動車への過度な依存を改め、自然環境の保全を図る都市づくりを打ち出している。
 プランは、基本的な方向性として(1)自然と調和した機能集約型市街地の形成(2)公共交通を中心とした利便性の高い総合交通体系の構築(3)災害に強く、環境に優しい「新次元の防災・環境都市」-などを設定した。
 都市づくりの目標像には「杜の都の自然環境と都市機能が調和した持続可能な潤いのある都市」を掲げる。資源消費が少なく、環境に優しい公共交通で郊外住宅地のアクセス性を向上させ、多様な施設が集まる中心部や拠点地区(泉中央、長町)の活力創出を進める。 土地利用の基本方針としては、市内を「自然環境保全」「集落・里山・田園」「市街地」の三つのゾーンに区分。市街地ゾーンでは、市地下鉄南北線と東西線(2015年度開業予定)の沿線に形成される十文字型の都市軸を中心に、商業、業務、居住といった都市機能の集積を図っていく。
 東日本大震災を踏まえ、非常時でも安心できるエネルギー効率の高い都市づくりや、東部地域の津波防災対策、自然と田園環境の再生なども盛り込んだ。
 計画期間は12~20年度。20年の人口構成は、夜間人口を10年と比べてほぼ横ばいの104万7000人と見込み、65歳以上の高齢人口比率は18.7%から25.6%に大幅に上昇すると想定した。
 市は、都市計画マスタープランを1999年10月に策定。計画期間が終わる2011年3月末に新プランを策定する予定だったが、震災で先送りされていた。

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