市電、進駐軍が歩くX橋… 「40年前の仙台」写真帖・第2弾

 昭和30年代を中心に仙台の街の様子を切り取った写真集「写真帖(ちょう) 40年前の仙台 路面電車が走っていたころ」(無明舎出版)が刊行された。約50枚の古い写真と、平成に入ってから現場を再訪した写真を併せて紹介。昔を知る人への聞き書きを添えた、街並みの変遷をたどることができる貴重な資料になっている。
 2004年出版の「写真帖 仙台の記憶」の第2弾で、A5判111ページ。仙台市を中心に発行する雑誌「りらく」に連載中の「100万都市の原風景」を基に、「仙台の記憶」に収めていない写真を掲載した。
 日下信さん(58)=仙台市若林区=、西大立目祥子さん(53)=同=の2人のライターが執筆を担当。写真家の小野幹さん(79)=青葉区=と、高橋こうけんさん(80)=同=が撮りためた写真を提供してもらった。
 収められたモノクロ写真は花見客がこぞって渡るつり橋だった旧八木山橋、市電に乗り込む客であふれる大崎八幡宮のどんと祭、進駐軍が歩く「X(エックス)橋」(宮城野橋)など。人の服装なども当時の生活を感じさせるものばかりだ。
 ライターの2人が現場を再訪したのは03年から07年にかけて。日下さんは「写真はどれも貴重な庶民史の資料。街の変化がスピードを増す中で昔を思い出し、新しい街の在り方を考えるきっかけにもしてもらえれば」と話している。
 価格は1890円。仙台市内などの書店で販売している。連絡先は無明舎出版018(832)5680。
 7月23~31日には、出版記念の写真展が仙台市青葉区の市福祉プラザで開かれる。本に収められた約30点を展示する。入場無料。

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