環境省は3日、絶滅の恐れのある野生動植物の不正売買を行った企業への罰金を現行の最高100万円から同1億円に引き上げる方針を決めた。罰則強化を通じて違法な取引を防ぐのが目的で、種の保存法改正案を今国会に提出する。不正売買に対する罰金の引き上げは、平成5年の同法施行以来初めて。
個人への罰則も現在の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に強化する。
希少な野生動植物をめぐっては、過去にリクガメ2匹が700万円の高値で取引されるなどの例があった。このため同省は不正売買で得られる多額の利益に比べ、罰金額が少なく、抑止効果が不十分だと判断した。また、インターネットやチラシなどでの販売目的の広告についても、同法に新たな規定を設けて禁止する。