希望の光消さぬ 気仙沼イルミネーション 赤字覚悟の決行へ

東日本大震災を機に始まった、冬の気仙沼市を光で彩る「気仙沼イルミネーション」の実行委員会が協賛金集めに苦慮している。電飾を引き受ける市内の事業者数も伸び悩む。市民有志の実行委は今年、中止を検討したが、住民の強い要望もあり赤字覚悟の開催を決意。来月2日の開幕に向け、市内外に協力を呼び掛けている。

イベントは、震災からの復興に向かう街に光をともそうと市民有志が2012年12月に始めた。今年は12月2日〜来年1月12日、田中前、八日町地区の街路樹や南町の共同店舗などに20万個の発光ダイオード(LED)電球を取り付ける。
実行委は毎年のように資金集めに苦労し、昨年は50万円の赤字を計上。最大で450万円の赤字が出た年もあり、毎回実行委のメンバーが穴埋めしてきた。
今年も台所事情は厳しく、800万円の事業費に対し、27日現在で60万円しか集まっていないという。復興支援で気仙沼を訪問した企業にも協力を呼び掛けているが反応は鈍く、協賛金を減額する企業も増えた。
実行委はインターネットで小口資金を募るクラウドファンディングを活用したり、市内各地に募金箱を設置したりする予定だが、赤字は避けられそうにない。
電飾を手伝ってくれる事業者が少ないのも悩み。実行委は無料で電球を貸し出しているが、取り付けを担う事業者は現在、10社程度にとどまる。共催の市役所が初めて協力するものの、まだ40万個の電球が残る。
宮井和夫実行委員長(42)は「被災した気仙沼の冬を盛り上げたいという情熱で踏ん張っている。地道に幅広く協力を求めていきたい」と話す。
初日の2日は午後6時20分から港町の旧朝市広場で開幕イベントがあり、歌手のMay J.さんのライブと花火2000発の打ち上げがある。連絡先は実行委070(6486)3108。

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