平均勤続年数トップ300社ランキング2020

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2020年版)」を作成した。調査対象3749社のうち、平均勤続年が長い「トップ300社」を集計したところ、300社の平均勤続年数は20.5年だった。ランキングの1位は25.8年の三菱製紙、平河ヒューテック、桂川電機の3社だった。三菱製紙は2年連続の1位だ。「トップ300社」のランキングをお伝えする――。

■ベスト10のうちメーカー系が6社

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2020年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2019年7月期~2020年8月期)。データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。

このうち平均勤続年数が「トップ300社」のランキングでは、業界中位の製紙会社の三菱製紙、電線やネットワーク機器を手がける平河ヒューテック、大判型に特化したプリンタメーカーの桂川電機の3社が25.8年で1位となった。三菱製紙は2年連続の1位で、平均勤続年数は昨年より0.4年アップ。従業員数632人、平均年齢は47.2歳だった。

コンデンサーなどの電子部品を手がける4位の松尾電機、液晶用ガラス基板加工を行う8位の倉元製作所、シューズ製造販売を展開する8位のリーガルコーポレーションを含めれば、メーカー系の企業がベスト10のうち6社を占めることになる。

5位の東武鉄道は平均勤続年数25.5年と昨年より0.2年アップで、鉄道会社の中で首位をキープ。キヤノン製の複合機などの販売を手がける7位のキヤノンマーケティングジャパンは、親会社で215位のキヤノンを上回る結果となった。

6位の旅行業を展開するKNT-CTHDや10位の三越伊勢丹HDは、新型コロナウイルスの影響を大きく受ける業種だ。今回の決算には反映されていないが、次回以降の動向に注目したい。

■同業種のホンダとトヨタで8年の差

トップ300社の平均勤続年数は20.5年で平均年収は677.9万円と調査対象3749社の12.2年と619.7万円を大きく上回った。だが平均勤続年数の長さと平均年収の高さは正比例するとはいえない。

トップ10のうち、619.7万円を下回った企業は5社ランクインしている。トップ300社のうち平均年収1000万円超は19位の東京放送HD、26位の三井住友トラストHD、30位のT&DHD、34位のMS&ADインシュアランスグループHD、80位のテレビ東京HD、176位の日本テレビHD、228位の三菱ケミカルHDとエーザイ、297位の東京海上HDの9社だった。

同業種でもちがう。13位のホンダ(平均勤続年数23.8年)に対してトヨタ自動車は740位(同15.8年)、34位のパナソニック(同22.7年)に対してソニーは496位(同16.6年)となっている。

また年休140日と最長40日の有給で「日本一休みが多い」といわれる未来工業(岐阜・輪之内)は41位だった。同社のOBは「年末年始休暇があまりに長いため、もう休みはいりませんという同僚もいたほどです。お小遣いが持たない、というのが理由でした(笑)」と話す。

同社は70歳までの選択定年制を採用。他社に見られるように60歳以降の大幅な給与カットもないという。働き方改革が叫ばれ、定年延長が定着しつつある中、同社に続く企業の出現が待たれるところだ。

平均勤続年数トップ300社ランキング2020(1位~50位)
平均勤続年数トップ300社ランキング2020(54位~94位)
平均勤続年数トップ300社ランキング2020(104位~139位)
平均勤続年数トップ300社ランキング2020(151位~196位)
平均勤続年数トップ300社ランキング2020(206位~245位)
平均勤続年数トップ300社ランキング2020(263位~297位)

———-鎌田 正文(かまた・まさふみ)
ビジネスリサーチ・ジャパン代表
1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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(ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文 図版作成=大橋昭一)

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