平均手取り「30万円」より悲惨…日本でどんどん露わになる「恐ろしい経済格差」

日本の平均、そして「真ん中」とはどのくらいを指すのでしょうか? 「日本人の生活のリアル」について、国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査結果』、金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(2023年)』などをもとに解説していきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額

日本の「平均」「真ん中」は?…露わになる歪み

国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査結果』で公表された、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「458万円」。令和3年度は443万円でしたので、15万円分、数値が上がった結果となりました。ボーナス等を含めない概算ですが、平均給与458万円ですと、月の収入では38万円ほどになります。手取りは30万円ほどです。 他方、1年を通じて勤務した給与所得者について、給与階級別分布を見てみると、最も多かったのは「300万円超400万円以下」(840万人/構成比16.5%)。次いで「400万円超500万円以下」(779万人/同15.3%)となっています。 男性では、「400万円超500万円以下の者が518万人」(同17.7%)と最も多く、次いで「300万円超400万円以下の者の454万人」(同15.5%)となっています。女性では、「100万円超200万円以下の者が461万人」(同21.5%)と最も多く、「200万円超300万円以下の者の430万人」(同20.0%)となっています。 平均給与458万円ですが、その実、最も多いのは「300万円超400万円以下」。平均値との乖離が見て取れます。

貯蓄額はいくら?平均「1077万円」だが…

貯蓄状況はどうでしょうか。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(2023年)』によると、金融資産の平均保有額は単身世帯「941万円」、2人以上世帯「1,307万円」。中央値は単身世帯「100万円」、2人以上世帯「330万円」です。金融資産には預貯金のほか保険、有価証券、その他金融商品が含まれます。 単身世帯の半数が、金融資産の保有額100万円以下。平均値と中央値の乖離に驚く結果ではないでしょうか。 格差是正が叫ばれる一方、2021年、富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多となりました(株式会社野村総合研究所調べ)。その数及び保有資産額は次のとおりです。

高齢化も進む今、日本のお金の行方は…

超富裕層(5億円以上)・・・9.0万世帯/105兆円 富裕層(1億円以上5億円未満)・・・139.5万世帯/259兆円 準富裕層(5,000万円以上1億円未満)・・・325.4万世帯/258兆円 アッパーマス層(3,000万円以上5,000万円未満)・・・726.3万世帯/332兆円 マス層(3,000万円未満)・・・4,213.2万世帯/678兆円 コロナ禍の富裕層の間では「カネ余り」といった言葉も台頭しました。各国が大規模な金融緩和政策を打ち出し、株式市場をはじめとしたマーケットは活発化、大きく資産を増やした富裕層が増加したのです。 厚労省の発表によると2022年、日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳となりました。こちらもすごい数字ですが、日本人の寿命はこの先も伸び続け、2050年には、100歳の人口が50万人を突破していると考えられています。 高齢化・生産年齢人口の減少によって今後社会保障費が増加していくことは自明の理とすらいえます。そのような状況のなかで現政権は「資産所得倍増計画」を掲げていますが、今後日本人の資産所得は「倍増」していきそうだと言えるでしょうか。中長期的な未来の設計図は、いまだ描けていません。

タイトルとURLをコピーしました