厚生労働省は23日、平成27年の人口動態統計(概数)を発表した。女性が生涯に産む子供の推定人数を示す合計特殊出生率は1・46で、前年を0・04 ポイント上回り、2年ぶりのプラスとなった。1・50だった6年以来、21年ぶりの水準。都道府県別では、前年と同様、最も低いのが東京の1・17(前年 比0・02ポイント増)、最も高いのは沖縄の1・94(同0・08ポイント増)だった。
厚労省は合計特殊出生率が上向いた理由に関し「25、26年ごろに経済状況や雇用情勢が好転し、子供を産もうと思った人が増えたことが考えられる」としている。25~29歳の出生率は5年ぶりの増加となった。
出生数は前年比2117人増の100万5656人で、5年ぶりに増加に転じた。30歳以上の出生数が増えた影響が大きいが、29歳以下は減っており、今 後、出産世代とされる15~49歳の女性人口の減少に伴い、出生数は減少傾向が進みそうだ。第1子出産時の母親の平均年齢は30・7歳。前年比0・1歳上 昇し過去最高を更新しているが、晩産化傾向は鈍化している。
一方、死亡数は129万428人(前年比1万7424人増)で戦後最多。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は28万4772人で、過去最大の減少幅となった。