あと3か月に迫った平昌五輪。日本以外で初となるアジアでの冬季五輪開催だけに、ことあるごとに「日本と並ぶ、日本を超える」情熱をたぎらせる韓国では、さぞ熱気に溢れているかと思いきや……。前政権のスキャンダルの影響で寄付金や協賛金が集まらず、予算不足が露呈している。メイン会場は、「観客が一斉に移動すると揺れる」といわれる安普請だという。さらには、山頂に設置されたスキージャンプ会場は強風に晒され、危険性も指摘されている。
こうしたインフラ面に加え、さらに追い討ちをかけるのが“ボイコット”だ。北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)は、過去5回の五輪で続けていた所属選手派遣を取りやめた。
「リーグ中断による経済的損失が主な理由ですが、ファンの反対も決定を後押しした。本場のファンは平昌五輪のメダルなんて興味がない」(米国在住スポーツジャーナリスト)
さらに、北朝鮮の核・ミサイル実験を受けて、フランスのスポーツ相は9月、「安全が確信されないなら選手団は国にとどまる」と発言。オーストリアの五輪委員会トップも「状況が悪化すれば韓国に行かない」と追随した。ジャーナリストの室谷克実氏はこう危惧する。
「11月7日には北朝鮮の核実験場で活発な動きが報じられ、再度緊張が増した。大会開始までにさらなる動きがあれば、欧州を中心に五輪辞退を表明する国が出る可能性がある」
そんな中、“過熱”するのが平昌周辺の宿泊料金だ。五輪開催中の宿泊料金を「1泊12万円」に設定したモーテルも登場した。
「平昌には大規模ホテルが少なく、観客やメディア関係者はラブホテルのような宿に泊まるしかない。イベント時のぼったくり料金は当たり前で、5~6倍にハネ上がる。そもそもチケットが売れないのも、直前になれば運営側が体裁を保つためにタダ同然でバラ撒くだろうと皆が思っているから。これでは五輪が盛り上がるなんて到底無理でしょう」(室谷氏)