JR東日本グループの仙台ターミナルビル(仙台市)は26日、四季を通してブルーベリーやイチゴなどを栽培する体験型観光果樹園を、仙台市若林区荒浜地区に整備すると発表した。通年でフルーツ狩りを楽しめる施設は珍しく、東北では初めて。2020年度の営業開始を見込む。
市地下鉄東西線荒井駅から約4キロ東にある東日本大震災の防災集団移転跡地に整備。仙台市が募集した利活用事業案に応募し、採用された。
約11ヘクタールの敷地ではプランターを使ったポット栽培などで収穫期の異なるイチジク、ブドウ、キウイなどを栽培。レストランとカフェも設け、果物や地場産野菜を使ったメニューを提供する。加工品の手作り体験や貸農園事業も行う。初期投資額は約5億円。
仙台ターミナルビルと市は5月、正式な覚書を締結。市が土地を造成し、同社が果樹園を整備する。20年冬に開業し、イチゴから順次、果物狩りの体験を始める計画。樹木の成長などから収穫量が最大になる26年度ごろには年間15万人の集客を目指す。
同社は、震災の津波で被災し、16年4月にリニューアルオープンした市農業園芸センターの運営に参画している。松崎哲士郎社長は「外国人客を含む交流人口を拡大し、地域の復興に貢献したい」と話した。