「住民税、毎月いくら払っていますか?」と聞かれたら、あなたはすぐに答えられますか?サラリーマンの場合、毎月自動的に給料から引かれている住民税。自分がいくら払っているのか、あまり意識していない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「年収400万円」をベースにして、住民税について詳しくみていきましょう!
住民税の基本をおさらい
「6月になって、いきなり住民税の天引き額が変わった!」と驚いた経験はありませんか?これは、「毎年の所得によって、翌年の6月~翌々年5月の住民税が決まる」というシステムによるもの。たとえば、2018年の所得は、2019年6月~2020年5月の住民税を左右させます。
確定申告を行わない会社員の場合、年末調整によって所得税と住民税の金額が算出されます。そのため、会社の給与以外の所得がない方は、毎年の源泉徴収票で住民税の天引き額を見積もることができます。
特に、年収が下がった人や退職した人は「昨年の収入に応じた高い住民税」を払わなければならないため、注意が必要です。「6月からいくら天引きされるのか不安」という方は、あらかじめ計算しておくと安心ですよ。
年収400万円の住民税を計算
ではここで、「年収400万円・共働き・高校生の子が1人」という方の住民税を計算してみましょう。
国税庁のサイトで年収を入力すると、給与所得控除を引いた課税対象額を自動計算してもらえます。年収400万円の場合、課税される金額(給与所得の金額)は266万円。ここから、所得控除を引いていきます。
参考:国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「給与所得控除」
共働きで配偶者控除が適用されないため、以下の3点が控除されます。また、これらのほかに生命保険料や地震保険料を控除対象にすることもあります。
・高校生の子1人の扶養控除:33万円
・誰でも受けられる基礎控除:33万円
・給与から天引きされている社会保険料控除:56万円
(社会保険料控除の正確な金額は源泉徴収票に記載していますが、ここでは平均的な料率である14%×年収で計算)
課税される金額から上記3項目を控除すると、266万円-33万円-33万円-56万円=144万円。この金額の10%に課税されるため、年間の住民税は144,000円となります。
さらに、住民税には原則5,000円が加算される「均等割」が存在します。そのため、先ほどの住民税に均等割を加算した、149,000円が住民税の年間合計です。これを12で割って、1カ月あたりの天引き額は12,400円という結果になりした。
住民税の滞納は厳禁!
会社員の場合、住民税は給料から天引きされ、会社が代わりに自治体に納付します。その一方、個人事業主やフリーランスの方などは、自分で住民税の納付手続きを行なう必要があります。そこで、もし住民税を払わずに滞納してしまったらどうなるのでしょうか。
まず踏まえておきたいのは、「税金の時効の多くは成立しない」という点。住民税の時効は納期限から5年間と定められていますが、差し押さえをするとリセットされるのです。転居した場合も、住民票で居場所を確認することは可能。時効が成立するのを期待することはやめておきましょう。
また、「就職先に連絡がいく可能性もある」という点も確認しておきましょう。たとえばフリーランスの人が会社に就職した場合、会社から自治体に届け出ている給与の支払額などの情報により、自治体は「これまで住民税を滞納していた人が、あの会社で働いている」と知ることになります。
そうすると、自治体から会社に連絡がいき、給与振込口座や直近の給与の状況などを書面で会社に回答させ、給与口座や給与の一部を差し押さえる手段に出ます。
こんなことにならないためにも、住民税は滞納せずにきちんと支払うよう心がけておきましょう。
まとめ
複雑そうに感じる住民税のシステムですが、基本を抑えれば自分で計算することも可能です。気になる方は、ご自身の給料明細や源泉徴収票をチェックしてみましょう。
決して安くはない住民税ですが、滞納すると非常に厄介なことに。フリーランスや個人事業主の方は、ご自身でしっかりと納税しておいてくださいね。