年末年始の旅 海外・国内とも予約好調 東北

年末年始の旅行需要が東北で好調だ。海外は仙台空港からアジア圏に向かう便を中心に、予約で満席状態。国内も温泉などが人気を集める。曜日配列の影響で連休が短く、行き先は比較的近場が多いものの「旅行単価が上がっている」と旅行会社。東北新幹線全線開業で青森県への関心も高い。円高や景気の持ち直し傾向が好調さの背景にあるとみられ、各社から「今後も期待が持てる」との声も出ている。
 「旅行を控えていたお客さまが夏ごろから動きだし、そのまま好調を維持している」とJTB東北仙台支店。
 28日の仕事納め当日夜に出発できる仙台空港発ハワイ行きチャーター便は9月の発売開始から予約が相次ぎ、間もなく完売となった。「グアム行きも定期、臨時便ともに年末年始はキャンセル待ち」とほくほく顔だ。
 近畿日本ツーリストグループのKNTツーリスト仙台営業所も「仙台発の空の便は、台湾や香港をはじめ各方面が既に満席」と説明。やはり早い時期から予約が入り「緩やかな景気の持ち直しが反映しているのでは」と旅行需要の本格回復に期待を寄せる。
 北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃の韓国ツアーへの影響も小さいといい「南北境界線近くを訪ねるオプションが中止になった程度」(KNT仙台)と言う。
 羽田空港から海外に出る東北の観光客も少なくない。各社は「羽田空港の国際化が旅の選択肢を増やし、旅行マインドの向上につながっている」とみる。
 国内は沖縄や九州、東京ディズニーランド、東北の温泉など定番の旅先が安定している。JTB東北は「例えば宮城県のお客さまが県内温泉地を予約するなど近場が多い。宿泊は連泊傾向が例年より強い」と指摘する。
 東北新幹線全線開業に伴い、各社はパンフレットやポスターなどで「冬の青森」を懸命にアピールしている。旅行者の反応も良く、青森県内や北海道函館市のホテル、旅館と乗車券などをセットにしたプランの問い合わせが増えているという。
 各社は「3月に導入される新型車両『はやぶさ』の予約や利用開始時期の質問が多い。春、夏には北東北への需要がより高まるのは確実」としている。

タイトルとURLをコピーしました