幸楽苑 北海道へ進出、札幌に開店 50店まで拡大方針

幸楽苑(福島県郡山市)は直営のラーメン店を10月下旬に札幌市にオープンさせ、北海道に初進出する。フランチャイズを含め国内500店目の節目となる予定。道内では50店程度まで拡大する方針だ。
 北海道1号店ができるのは札幌市厚別区の国道12号沿い。飲食店として利用されてきた建物を改装し、62席を設ける。
 幸楽苑は現在、東北、関東、関西などで店舗を展開。北海道については配送などの問題から出店を控えてきた。東北をはじめ東日本への出店が進んだことから、道内市場の開拓を進めることとした。
 今後は来春をめどに札幌市内に2号店を出し、順次増やしていく。店舗拡大に併せて物流拠点を整備し、配送の効率化も図っていく方向という。
 新井田伝社長は「既存店では、喜多方ラーメンの本場である喜多方市内の店舗が好調な売り上げを確保している。価格の安さがふだんの食事用として受け入れられている」と説明。ラーメン店が多い北海道での競争についても「比較的価格の高い店舗が多く、同様に支持されるのではないか」と期待する。
 幸楽苑は1954年、会津若松市に「味よし食堂」を開店して創業。現在の会社としての設立は70年。ことし7月にはタイ・バンコク市内に海外1号店もオープンさせた。
◎半ちゃんラーメン復活/12年ぶり、9月から500円
 幸楽苑は9月1日、「半ちゃんラーメン」の商品名で商標登録し、現在はメニューから外しているラーメンと半チャーハンのセットを、12年ぶりに復活させる。一部を除く国内462店で、税込み500円で扱う。
 国内500店目となる新店を札幌市に開くのを記念した。現在は他のラーメンを平仮名表記していることから、今回は「半チャンらーめん」の商品名とする。
 提供するのは中華そば(単品304円)と半チャーハン(294円)のセット。注文件数は全体の20%以上を目標にする。当面は1、2カ月の限定メニューとする予定。
 同社は1977年ごろに「半ちゃんラーメン」を導入し、82年に商標登録した。ただチャーハンの調理には大きな鍋を手で扱うことが必要で、パート女性の従業員を増やしたこともあり、2000年に税別550円で販売したのを最後にメニューから外していた。
 機械でチャーハンを製造する現在は、別のラーメンを使う「チャーハンセット」(682円)を扱っているものの、中華そばとのセット提供は行ってこなかった。
 新井田伝社長は「懐かしいメニューをワンコインで食べられるようにし、消費者の財布のひもを緩めたい」としている。

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