広告だろうが宣伝だろうが、面白ければ勝手に読まれてバズる

今回からエラソーに「広告をネットニュースにする方法」というテーマでコラム連載をやることになりました、Aolニュースの編集長をやっている恩納力です。
Aolニュースは企業ネタ、広告ネタ、CMネタをガンガン記事にしていて、アクセスランキング上位を占めることが多々あります(具体例として、「上半期バズった人気企業・CMネタベスト10!」はこの記事の後半で!)。
「わが社の広告をネットニュースに載せたい!」「動画作ったんだけど取り上げられるかな?」なんて思っている方にゆるくお役に立てれば幸いです。よくネット業界の人は「テレビつまんない」「CM邪魔」「紙・新聞は落ち目」とか言ってるし、ネットばかり見ていると思われがちですが、オレはむしろネットはFC2以外は見ません。あ、DMMもだ。
※編集部注:黒目線は筆者の希望によるものです
※編集部注:黒目線は筆者の希望によるものです
オレはテレビ大好き、CMも大好き、広告も大好き。そんなオレが、好き勝手に書かせていただきます。
さて、本題に入る前に、Aolニュースをザックリ紹介しますと、同じAolグループの「engaget」「TechCrunch」「ハフィントン・ポスト」と真逆のポジションでかなり自由に好き勝手やっているネットニュースサイトです(意識高めの良識派の方々はそっとブラウザ閉じてください)。2013年4月にリリースしまして、現在は約400万〜500万PV/月と局地的に人気のカルトサイトになってきました。
オレが影響受けているメディアや人は、2006年サイトオープン当初の初期「アメーバニュース」(当時から今も担当のサイバーエージェント・古川さん、ケロジャパン・中川淳一郎さんは編集者として一番尊敬してます)。それと「映画秘宝」で、オレもいつかムカつく媒体にパイ投げしたいです。この2媒体から「メディアは作ってる人の色を出す、アティテュードが大事」ということを学んだら、こうなっちゃいました。
で、今までネットニュースは6サイトぐらい編集長をやったりしたんですが、PR的に当たったのは、2012年に立ち上げた残業応援系ニュースサイト「The Workaholics(※現在はクローズ)」(以下ワーホリ)です。
「ワーホリ」は、日本初いや世界初の「社畜&残業を応援するニュースサイト」で、博報堂ケトルの嶋さん・原カントくん・長友さん、中川淳一郎さん、TBSラジオ・橋本さんという日本を代表するプロ社畜と共に立ち上げました。
ソーシャル上でもかなりバズって、「R25」「ねとらぼ」とかニュースサイトに載って、「NAVERまとめ」にまとめられて、雑誌や新聞から取材が来るというPR的には最高のフルコンボを実現できました。
■今後はヤフトピよりLINEニュース、ポータルよりまとめサイト
さて、ここから本題に戻ります!Aolニュースのページビューが上がった一番大きな要因は、外部サイトへ提供している記事からのバックリンク(自社サイトに戻ってくること)です。短期的な結果を求めるなら、どのニュースサイトも現状はこのスキームで大きくなる以外ないと思います。
バックリンクの話をすると、いま一番インパクトがあるのは「LINEニュース」じゃないでしょうか。ウチもかなりお世話になっています。「スマートニュース」もスゴいみたいですけど、ウチはチャンネルに入ってないし、何の恩恵も受けてないんで実感が分かりません。
昔は「ヤフトピ砲」と言われたぐらい、ヤフー最強だったと思いますし、ポータルサイトもそれなりに力を持っていましたが、スマホ時代&キュレーションサイト登場で現在は勢力図が完全に変わりました。
今後はヤフトピに載せるより、LINEニュースに載る方が良いという時代になる、なっていると思います。
オレが何故LINEニュース最強説を考えるかというと
ユーザーが見たいサイトに「直接リンク」で飛ばす
編集体制に愛がある
と思うからです。
オートマでも良いんですが、やっぱり人力の編集体制ってのは何よりも魅力的かなと。ヤフトピも一緒じゃねーか!って所もあるんですが、配信された記事はヤフー内に「格納」されているのと、参照リンクも切られたりしているので、直接飛ばすLINEニュースとは大きく違うなと。
あと、オレがPR的に強力な媒体だと思うのは下記媒体です。
やっぱり2ちゃんねるは最強 → 2ちゃんからのまとめサイト
narumiblogなどのしっかり編集されているブログ
error403といったツイッターセレブやYouTuber
ポータルやそこら辺のニュースサイトに掲載されるよりもネタによってはよっぽど影響力と破壊力があります。
■どうやってネットニュースと付き合えばいいの?
ネットニュースはウチ以外にもたくさんありますし、色んなジャンルがあります。各媒体、面白いネタは確実に待っているので、ネットでPRしたい人には上手くやれば今は結構なチャンスな時代は来てると思います。
博報堂ケトルの嶋さんが開かれている「若手限定!プロフェッショナルPRパーソン養成 嶋浩一郎ゼミ」でも、2011年からオレもエラソーにゲスト参加させてもらってますが、そこでもよく言っているのは
ネットニュースが取り上げそうなネタを知る
ネットニュースごとに合った文脈を許容する
です。
どうやって媒体にネタを提供するの?というと、シンプルに媒体者に直接つながるのがやっぱりオススメですね。意図も伝えられるし。「自分が取り上げてほしい媒体、好きな媒体に話を持って行く」ってのが理想じゃないですかね?
ただ、ネット業界には時々安いライターに丸投げしてる所とか、自分の媒体をゴミって言っちゃう所とか、取材とかできませんとか言う所もあるんで、そういう所はやめた方が良いと思いますね。
上半期バズった人気企業・CMネタベスト10!
どんなネタがこれからアツいか?というとCMや動画(vineとかも)は狙い目です。スマホで簡単に動画見られますしね。「Yahoo!映像トピックス」とか「バイラルメディア」もかなり人気が出てきています。やっと土壌ができてきた感じがしますね。
CMネタもネットでウケますね。結局ネットユーザーってテレビ好きですからw ざっと思いつくのでも、佐藤可士和さんがやったとは思えない「カレーメシ」、和田アキ子の「進撃の巨人」アプリCM、とか…いかにも人気出そうですよね。個人的にはトヨタが車の宣伝なのにSEKAI NO OWARIを起用、ってのはグッときました。
なので企業広報や広告会社の皆さんはバンバン広告ネタ、CMをネットニュースに提供してほしいですね。「広告ネタや宣伝は難しいのでは…?」「リリースなんて邪魔ですよね?」とかよく聞かれるんですが、ぶっちゃけ面白ければ関係ないし、むしろウェルカムです。そういうの嫌がる媒体は逆にシカトで良いと思います。
すげー長くなりましたけど、こっから本題です。Aolニュースで上半期バズった人気企業ネタ(Facebook・ツイッターのshare数の合計とかページビュー)の具体例と、勝手な理由をご紹介しときますね。なんとなくこんなんがウケるんだなーって思ってもらえると幸いです。(ちょっと偏ってるけど)
1位:雑誌「メンズナックル」と日本郵便「ゆうパック」が謎のコラボ 至高の名キャッチコピーも
10085share
※これはもう企画勝ちというか、考えた人が天才だと思います。「真面目そうな企業なのにそこいく!?よく許したな決裁者!!」みたいなネタはネットでは特に好まれるんですが、それにしてもスゴい。ネット上ではメンナクのガイアキャッチは元々人気あるのですが、その期待を想像以上に超えたクリエイティブ破壊力です。
「俺は100円が惜しくて、持ち込むのではない。俺が窓口に持ち込んでいる事がリアルなんだ!」www
at_mk
2位:【動画】老舗会社のCMが批判され炎上→毅然とした姿勢で称賛の嵐に
10070share
※この記事はNewspicksに載ったんで、日本の意識高い層の中枢から一気に拡散した感じです。「いいね!」が一定数超えると、雪だるま式に増えるし、「いいね!するとカッコいい」っていうライトいいね!ユーザーもついてきますね。
こういう良い話系は人気が出やいんですが、気をつけないといけないのは、「これはバズりそうだなあ。ゲヘヘ」みたいな、いかにも狙った感や少しでもウソがあるとすぐ見抜かれるんで注意ですね。なかなか狙ってできるものではないです。
3位:実写版「進撃の巨人」が解禁!「リアルすぎる」とネット上が震撼、期待も高まる
1458share
※このテの「解禁!→スピード勝負」ネタはオリコンとかマイナビがやっとけばいいんで、情報出す側としては「速報チーム」と「後追いチーム」と使い分けが良いと思います。ネットではある程度話題になってから出すのも超効果的です。結局これがバズったのも、「実写化やめろ」「ショボイCGだろww」みたいな感じだった所に、想像以上のコンテンツだったからV字で好評価で話題になったんでしょうね。結局コンテンツが良いとバズりますね。
4位:これは欲しい!コカ・コーラの空ボトルが超絶便利ツールに生まれ変わるセットが大人気
1380share
※コーラとオグルヴィのキャンペーン事例なんですが、コーラの企業CMは、いつも面白いんで定点観測しています。「面白いCM、広告を出す企業」って媒体に認知されると強いですね。そういう意味だとナイキとかも強いですよね。そうなると、企業は自社サイトに情報載っけておいて、それを勝手に媒体に見るっていう流れなると良いですね。いわゆるオウンドメディアってのはそういうことなんですかね。
5位:トヨタ「ポルテ」CMのハトパパ(乙葉の夫)「中の人」が業界のタブーを無視して登場
668share
※こういうすべてを破壊するような広告は個人的に大好きです!「ハトパパってよく見ると少し気持ち悪い。」って言っちゃってますからw CMとかで認知とってから、裏話とかをネットで「後パブ」で撃ち込むのもアリっすね。
6位:【動画】4歳双子が歌う『アナと雪の女王』が物凄い破壊力 再生1千万超の怪物ヒット
546share
※企業発信ではないんですけど、ユーザーが勝手にバンバン動画作って、勝手にバズってくれた理想型ですね。Y!映像トピックスもピックアップしてくれて爆発したパターンです。
日本だとニコ動がそこら辺最強だと思うんで、企業さんはドンドンいじってもらえるようなネタをユーザー提供しちゃうのはアリかもですね。ただ、いじって面白くなるようなネタじゃないと逆効果生むんで要注意ですけど。
あと、何を作ってこられても確認とか削除しないで、とりあえず笑顔で許容してあげる事が大事ですねw
7位:美少女が頭突きで瓦を叩き割る衝撃CMが話題に 「かわいい」「本当に割ってるw」
541share
※出演している武田梨奈さんはこのCMで有名になったっぽいんですが、元々映画『ハイキックガール』に出たりしてたガチ空手家で、既に世界中のアクション映画ファンには有名だった人です。で、テレビCM見てたら「ハイキックガールじゃん!」って思ってたら、CM自体かなり良い感じな違和感があったんで速攻記事にして、時期も早く出せたんで見られました。これもY!映像トピックスがピックアップしてくれて爆発したパターンです。
「可愛すぎる○○」という人気ワードと、ちゃんと瓦を叩き割るガチさがハマったダブルコンボです。
8位:タイホンダのCMが日本を意識し過ぎるあまり意味不明だけどカッコいい
341share
※タイホンダが制作した「ホンダ・スーパーカブ」CMなんですが、見てもらうと分かるんですが色々と間違ってるんですよね。
同時にCMソングって改めて大事だなーって再確認しました。いま、細川たかし「北酒場」ですよ!?しかも許可を取ってるのかも分からない狂気とイノセント具合が好感が持てますね。
9位:大人気マンガ『ハイキュー!!』の渋谷ジャックが「感動した」「青春すぎる」と話題沸騰
162share
※『ハイキュー!!』っていう超人気漫画のコミックス最新巻が発売されたのを記念して渋谷駅の東急東横線、東京メトロ副都心線、半蔵門線へ向かう地下通路の壁一面が広告ジャックされていて、そのレポート記事です。
作中の印象的なひとコマをストレートに心に撃ち込んでくる広告で、メインターゲットの中高生達だけじゃなく、スラムダンクとか読んでた世代にもリーチしていました。で、スマホサイトともクロスオーバーもしてると。
面白い広告ジャックも十分記事にできるんですよね。最近も「シャープ」がHKT48指原で渋谷ジャックしてて、これも話題になってました。
10位:【動画】坂上忍が潔癖刑事に扮する宅配クリーニングCMが面白すぎるとネット上で話題
142share
※くだらねー!!っていう最高の褒め言葉を贈りたいですねw 予算とか絶対少ないと思うんですよ。坂上忍のギャラでほぼ飛ぶんじゃないですか?ネットニュースは好きそうなネタではありますが、記事になっても動画の再生数が増えるとは限らないんですよね。それでいて100万再生突破はスゴい!メイキングも面白いんで是非見て欲しいですね。
こんな感じで、広告は十分にネットニュースになりますので、これから、この連載ではどんなんがネットでウケるか?面白いか?っていうのをどんどん書いて行ければなと思っています。参考になるかは全く分かりませんが、是非ユルく生暖かく見守って欲しいです。

タイトルとURLをコピーしました