雪平莉左(写真・桑島智輝)と、朝ドラヒロインに抜擢された福原遥
2022年も、あっという間に下半期を迎えたが、大手広告代理店ではこの時期、広告出稿を促す目的で、タレントたちの上半期の動静をデータにまとめ、クライアントに提出するのが慣例だという。
ここ数年、クライアントの注目度が高いのが、タレントたちの「トレンド」。浮き沈みの激しい芸能界だけに、タレントの評価は1年どころか、数カ月ごとに大きく変動する。しかもSNSなどの発達により、その動きは年々早くなり、動きの幅も大きくなっているという。ある意味、「株価」のようなものなのだ。クライアントは、どの株=タレントを買うべきかを日々模索している。なるべく「上昇トレンド」にある株を買おうとするのは、当然のことといえよう。
今回、本誌は大手広告代理店が調査したデータを入手した。その名もずばり「2022年上半期に株を上げた女性タレントランキング」だ。アンケートをおこなったのは、大手広告代理店のキャスティング担当、CMプロデューサーとプランナー。テレビ局からは、キー局のプロデューサー、編成担当者。そして番組制作会社のプロデューサーら計50名。
今年上半期、「もっとも株を上げた」と評価されたのは芦田愛菜。7月1日に発表された「2022年上半期タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター調べ)では、「契約15社」で1位となっており、クライアントからの支持も断トツである。
「品行方正なイメージでは間違いなく日本でトップクラス。クライアントも安心できる」
「出演本数はもともと多かったが、安定優良株の代表」(カギカッコ内はアンケート回答者たちのコメントより、以下同)
まだ18歳。スキャンダルと無縁なのは当然としても、学業も優秀なイメージがあり、CM業界からの信頼が厚い。
次いで2位は「FIGHTERS GIRL 2022」。プロ野球・日本ハムのチアリーディングチームだ。YouTubeで人気に火がついた「きつねダンス」で、知名度は一気に全国区となった。
「このメンバーから誰をスターにするかを狙っている業界人が多くいる」
そんなメンバーのなかでもっとも注目されているのが、滝谷美夢(たきやみゆ)だという。
「滝谷さんは、ルックスのよさもさることながら、子供たちに『きつねダンス』を一生懸命に教える姿が健気でいい。MCもソツなくこなし、スタッフからの信頼も厚い。いまや、北海道の子供たちの憧れの存在になっている」
3位には、6月にあった井上尚弥vs.ドネアのボクシング世界戦で「美人すぎるラウンドガール」として注目を浴びた雪平莉左がランクイン。
「これから間違いなくバラエティ番組で露出が増えそう」
いまCM業界では、世間をザワつかせたラウンドガールのコスチュームでの出演が画策されているとか。
4位にはアスリートが割って入った。スピードスケート日本代表の髙木美帆。今年の北京五輪では、金を含む4つのメダルを獲得した。
「あまりしゃべるイメージがなかったが、出演したバラエティ番組では意外に口達者で、イメージが変わった」
「姉は引退したが、現役にこだわる姿勢で株を上げた」
以前は積極的にテレビに出るタイプではなかったが、CMに出演するなど、徐々にメディアへの出演が増えており、今後もオファーが増えそうだ。
5位は、4月末にフジテレビを退社したフリーアナウンサーの久慈暁子。
「退社後、生放送での婚約発表はインパクト大だった」
「フジを辞めて、あらためてあの美貌を再認識した」
フジ入社前はファッション誌の専属モデルを務めており、もともと局アナよりはタレント向きだったといえよう。夫はNBA選手の渡邊雄太。
6位は福原遥。10月から始まるNHK朝ドラのヒロインに決まっているが、すでに評価は上昇トレンドにある。
「話題になったNHKドラマ『正直不動産』がよかった」
「日本郵便のCMに出ているように、広い世代に受け入れられるキャラクター」
今後も、高値安定は約束されているようなものか。
池田エライザの7位は、やや “意外感” があるものの、
「女子中高生の間では抜群の人気という調査結果がある」
昨年から「ELAIZA」名義で音楽活動を本格的にスタートさせており注目を集めている。映画監督、カメラマンとしても活動中で、そのためか、広告業界からの評価が高いのが特徴だ。
8位は芳根京子。主役ではないものの、ヒロインとしてのドラマ出演が続いている。
「主役俳優を支えるヒロインとして、それほど個性を前面に出さないのがかえっていい」
約6年半務めた駅ナカコンビニ「NewDays」のイメージキャラクターが、今年3月末で終了したが、まだまだ業界人気は根強い。
9位は、元乃木坂46の生田絵梨花。今年1月から所属事務所を太田プロに移し、「脱・乃木坂」の真っ最中。
「もともと演技力には定評があり、今後ドラマ出演が急増するはず」
「声がチャーミングで、CMでも生かせる」
古川優奈(ゆうちゃみ)
■“芸人殺し” の異名で下半期の最注目優良株
10位は子役の毎田暖乃。今年1~3月に放送されたドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)が話題になった。
「あの演技を見せつけられたら、名前を検索するのも当然」
次回作は、8月放送開始のNHKの夜ドラになる予定だ。
11位、12位には、バラエティ番組で活躍する20歳がランクインした。特に躍進著しいのは、「2022年上半期テレビ番組出演本数ランキング」(ニホンモニター調べ)で、昨年上半期の18本から132本に激増した “ゆうちゃみ” こと、古川優奈だ。
「同世代女子からの人気はすさまじい。今後、ファン層を広げていけるかが勝負」
「めるるとの違いは、ゴールデンの番組でちゃんと活躍できるかどうか。今後に期待」
活躍次第では、めるるを逆転する可能性もある。
13位の福田麻貴は、芸人ではトップ。前出の調査では、210本出演で14位、女性ではトップだった。
「ワイドショーのコメンテーターでは、適度な毒と自虐ネタもあり、好感が持てる」
最後に紹介する21位の渋谷凪咲はNMB48メンバー。
「バラエティ番組で、笑いのセンスが爆発している。まさに “芸人殺し” 」
「昨年からブレイクしているが、株価はまだまだ上がる」
テレビ関係者の間では、下半期の “最注目優良株” だ。
今回のアンケート結果について、大手広告代理店関係者が総括する。
「タレントの旬や消費期限を見極めるのは難しい。最近は “青田買い” を好まないクライアントが増えてきて “ブレイク半歩前のコ” を探すのに躍起になっています。今回のアンケートでは、2位と3位は予想していなかったですね。SNSの影響力にあらためて驚かされました」
“株” の乱高下が激しい芸能界。半年後には、想像もつかないコが急騰している可能性も大だ。