広告業の2022年8月の売上高は、前年同月比11.6%減の4016億4600万円だった。6、7月に続いての前年割れで、2ケタ減は2カ月連続。各メディアで「自動車」関連が減少しているほか、昨年の五輪特需からの反動減も大きい。円安などの影響はまだ出ていないという。前年比増となったのは、インターネットのほか、屋外広告、折込み・ダイレクトメール(DM)。経済産業省が10月7日に速報値を発表した。
事業所数は前年同月比で22減、常用従業員数は947人、減少した
テレビは前年同月比12.6%減の944億3400万円だった。ことしに入ってから最大の下げ幅で、1000億円を割り込むのことし6月以来2回め。それ以前では2020年5〜8月までさかのぼる。売上高では6月の950億7500万円を下回った。タイムでは「情報・通信」「金融・保険」「自動車・輸送機器関連品」が減少。スポットでは「薬品・医療用品」「自動車・輸送機器関連品」が下がった。
インターネットは前年同月比5.9%増の1102億8300万円となった。23カ月連続で前年増となった。「金融・保険」や「化粧品・トイレタリー」「食品」「外食・サービス」などが増加した。
新聞は、7月は前年増だったものの、8月は再び減少に転じた。「飲料・嗜好品」「官公庁・団体」「自動車・輸送機器関連品」などが減少した。雑誌は12カ月連続の前年比減で、「飲料・嗜好品」「金融・保険」「ファッション・アクセサリー」などが減少。20年、21年に続いて、ラジオを下回った。ラジオは4カ月連続の同比減で、「官公庁・団体」「家電・AV機器」「自動車・輸送機器関連品」が減少した。
屋外広告は3カ月ぶりに前年を上回り、3.4%増の36億800万円だった。「情報・通信」「不動産・住宅設備」「薬品・医療用品」が増加した。交通広告は3カ月連続の前年減で、15.4%減の86億6400万円となった。「化粧品・トイレタリー」「情報・通信」「家電・AV機器」などが減少した。「折込み・DM」は3カ月連続の前年増。「流通・小売」や「交通・レジャー」「化粧品・トイレタリー」などが増加した。
日銀が9月27日に発表した8月の企業向けサービス価格指数は、総平均で前年比1.9%増と、18カ月連続でプラスととなっている。広告は同比1.8%増で全体を下回った。テレビ広告は前年比2.1%増、インターネット広告は前年比5.0%増。新聞広告は2.9%減、雑誌広告は3.7%減と下落した。