広報必読!スキャンダル記事の消し方、教えます

■メディアを利用して都合のいい情報発信
「売り込みにくるニュースの大半は面白いものではありません。それにもかかわらず、いつ掲載されるのか、どのように掲載されるのかと強引な対応をされると、ちょっと腰が引けてしまいますね」
と、語るのは日本経済新聞で、かつて生活情報部に所属していた現役のデスクだ。読者の中には「今度の案件は大きな仕事になる。日経に掲載できるようにしてほしい」という上司からの無茶ぶりを受けて途方に暮れた経験がある人もいるだろう。
毎日膨大な情報が掲載される日経の紙面を確実におさえることは、並大抵のことではない。逆に、自社のネガティブな情報が際限のない報道で血祭りにあげられることは防ぎたい。一体どのようにすれば、メディアを利用した都合のいい情報発信ができるのだろうか。
「ニュースリリースは1時間に100枚程度送られてくることもザラです。手分けしながらすべてに目を通します。その中で採用のポイントは『新しい』ことです。具体的には新製品、新サービスという言葉を使いましょう。世界一、業界一という謳い文句をつければなおいいです。さらに、案件の金額も大きければ大きいほど掲載しやすいですね」(前出デスク)
やはり新規性・独自性をわかりやすい言葉でアピールすることが重要ということだろう。「ランキングなどで『一位を獲得するのにいくら払えばよいか』と問い合わせを受けることがあるのですが、ランキングをお金で売り渡すようなことはしません。結局、掲載の可否は、面白いかどうかなので、紙面を研究して傾向を探れば、私たちでも知らない癖のようなものが発見できると思いますよ」。
ニュースリリース時の基本を踏まえたとしても、ライバル社も同じように新規性や独自性を意識した表現を心がけた場合には差別化が再び難しくなる。
そのため、ライバルのニュースリリースを出し抜いて、自社記事で紙面をいっぱいにするために独自の追加的な工夫が必要になってくる。
大手民放報道局経済部デスクはこう語る。
「たとえば、小売店Aの初夏のバーゲンセールが5月20日開始で、小売店Bのセール開始日が6月1日だったとしても、小売店Bが5月18日にセールの記念セレモニーや社員の決起集会を開催すれば、小売店Bを取り上げることになります。実際のセール開始日でなくてもいいところを考えれば各社の広報担当者の知恵比べということです」
社員による決起集会であれば、その日にでも準備ができる。ライバルの出方を慎重に見極めなくてはならない。

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