脱税の疑いで広島国税局の査察を受けたとする広島ホームテレビ(広島市中区)の報道をめぐり、山口県光市のパチンコ店経営会社が事実誤認で名誉を傷つけられたなどとして、同テレビを相手取り、1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、広島地裁であった。
野々上友之裁判官は「報道内容が真実と認めることはできない」と誤報を認め、5万円の支払いを命じた。
判決によると、同テレビは2008年9月10日、同社が脱税の疑いで広島国税局の査察を受けたなどとするニュースを数回にわたって放送したほか、ホームページにも掲載。しかし、実際に査察を受けたのは同じグループの別会社で、野々上裁判官は「独自に、あるいは十分な取材をしたと認めるに足りる証拠がない」と同テレビの落ち度を指摘した。
しかし、意図的な虚偽報道ではないことや、同社には具体的被害が認められないことなどから、「慰謝料5万円が相当」と判断した。
広島ホームテレビは「主張が受け入れられず残念。控訴は、判決をよく検討し決めたい」としている。