ニシン(カド)を炭火で焼いて味わう春の風物詩「新庄カド焼きまつり」が29日、山形県新庄市の最上公園特設会場で始まった。新庄観光協会主催で50回目を迎え、北海道産を昨年並みの4000匹用意した。5月5日まで。
炭火焼きの香ばしい匂いが立ち込める中、来場客は約35センチの大ぶりなニシンをほおばっていた。コロナ禍で自粛していた飲酒が解禁され、歌謡ショーも会場を盛り上げた。
家族と訪れた山形県東根市の無職黒沼貞子さん(65)は「おいしいカドが食べられると毎年楽しみにしている。身が軟らかくておいしい」と話した。
豪雪地帯の新庄ではかつて、冬に鮮魚の入手が難しく、雪解けを待って北海道から運ばれるニシンを「春告魚」や「カド」と呼び、春のごちそうとして親しんできた。祭りは地元の風習を全国に発信しようと1947年に始まった。
ニシンは1匹1300円で、午前11時~午後3時。