後継者難? 東北の企業トップ 平均年齢は60歳8ヵ月

 東北の企業トップの平均年齢は60歳8カ月であることが、帝国データバンク仙台支店の2010年調査で分かった。04年の前回調査に比べ1歳8カ月高かった。経営環境の悪化や中小企業の後継者難を背景に、社長交代が少なかったのが主因とみられる。
 調査対象は東北の社長8万8594人。資本金別で見た社長の平均年齢は1000万円未満の59歳3カ月が最も低く、10億円以上の66歳10カ月が最高だった。年代別では昭和生まれが全体の98.6%を占め、大正生まれが1.4%、平成生まれはいなかった。
 10年中に交代した社長は1811人。景気に連動して上昇するとされる社長交代率(全体に占める交代数の割合)は2.04%で、前回より1.35ポイント低下した。全国平均との比較では0.43ポイント低かった。
 社長の出身県は福島が1万7682人で、20.0%を占めてトップ。以下、宮城、青森などと続いた。上位6位は東北6県が占め、7位以降には東京、北海道、神奈川などが入った。
 出身大学は日大が1875人で最も多く、東北学院大、明治大などが続いた。このほか上位10位に地元から東北大が7位で入った。
 仙台支店は「経営環境の悪化が長引く中、経営のかじ取りが難しくなり、社長交代のリスクが高まっている。平均寿命の上昇による在任期間の長期化や、年金受給年齢の上昇に伴う引退時期の遅れなども要因と考えられる」と指摘する。
 調査は04年以来6年ぶりで、帝国データバンクの企業情報データベースから抽出した東北の社長を分析した。

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