復興 貢献、挑戦の春 新年度スタート 東北

東日本大震災からの復興が本格化する2013年度が1日、スタートした。東北の官公庁や企業は辞令交付や入社式を行い、トップが「復旧、復興に全力で取り組んでほしい」などと激励。新社会人たちは緊張した面持ちで式に出席し、責任の重さをかみしめた。
 宮城県庁2階講堂では新規採用職員の辞令交付式があり、村井嘉浩知事が「失敗を恐れず前向きに、県民のために頑張ってほしい」と呼び掛けた。農林水産部食産業振興課に配属された鈴木喬慧(たかあき)さん(22)が代表して辞令を受け取った。
 新規採用職員は、復興業務の増大への対応などで前年度より100人多い244人。経済商工観光部経済商工観光総務課配属の鈴木亜紀さん(18)は服務宣誓で「奉仕者として頑張ることを固く誓います」と述べた。
 奥山恵美子仙台市長は市役所8階ホールで幹部職員250人に訓示した。震災後3年目となる新年度の目標を「復興や防災の取り組みを発信し、全国のパイオニアになることだ」と位置づけた。
 住宅再建の着実な促進を課題に挙げ「被災者が復興を実感できるようにしなければならない」と奮起を促した。
 1日に始まった仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)にも触れ、「心を柔らかくし、来訪者や市民と笑顔で向き合ってほしい」と話した。
 東北電力は仙台市青葉区の本店で入社式を行い、221人の新入社員が出席した。
 海輪誠社長は訓示で「震災から2年がたち、会社は復旧期から再構築期という次のステージに向かう」と強調。「変革期にある今は、若い人たちも活躍できるチャンスがある。未来を担う気概を持って活躍してほしい」と激励した。
 新入社員を代表して武内太さん(23)=福島営業所お客さまセンター=は「復興に貢献し、東北のさらなる発展のため精いっぱい力を尽くしたい」と誓いの言葉を述べた。

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