復興から共有へ 石巻に今春商業施設オープン

石巻市のまちづくり会社「街づくりまんぼう」が今春、東日本大震災に伴う旧北上川の堤防工事で閉鎖された仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」に代わ る商業施設を市中心部に開設する。事業資金の一部は「種類株式」で調達する計画。街中のにぎわい創出と地域を担う若者育成という趣旨で出資を募る。

新しい商業施設は「橋通りCOMMON(コモン)」。マルシェが営業していた場所の近くで、民有地約800平方メートルにコンテナやトレーラーハウス、飲食スペースの大型テントを設置する。
総事業費は約1200万円で、自己資金などに加え、400万円分の種類株式を発行する。1株5万円で6月から出資者(2株以上)を募集する予定。最初はまちづくり会社の株主に協力を求め、不足分を第三者割り当てで一般に呼び掛ける。
出資金は施設整備や運営などの経費に充てる。種類株式は普通の株式と異なり議決権や配当金がないが、市が認可された「石巻まちなか再生特区」に基づき、出資金が寄付金控除の対象となる。特産品や商品券などの配当も計画している。
コモンは「誰でも共有できる場」という意味で名付けた。オープンは4月下旬を見込み、当初は飲食店など7店舗で営業し、最終的に13店舗に増やす方針。賃料は低めに抑え、街中で商売をする意欲がある若年層に挑戦できる空間を提供する。
開設期間は、市が中心部に生鮮市場を核とする観光交流施設を整備するまでの2年程度を想定。街づくりまんぼう・街づくり事業部の刈谷智大さん(29)は「まちづくりや復興を後押しするという視点で投資してほしい」と期待する。

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