移り変わる東日本大震災の被災地の姿を記録し、発信しようと、東北大災害科学国際研究所は、被災地を定点観測した写真を集めたインターネットサイト「復興へ カワルみちのく風景」を公開した。宮城県内206カ所の被災状況や復興の歩みが閲覧できる。
震災発生直後から昨年7月まで、各地で定期的にカメラに収めた写真約800枚を収録した。撮影は道路技術者有志やNPO法人20世紀アーカイブ仙台、災害研が組織する情報収集活動員「みちのく・いまをつたえ隊」が担当した。
サイトでは、地図上から選択した撮影地点の写真が表示され、撮影時期を示す上部のバーを動かすと風景が少しずつ変化する。写真を拡大し、細部を確認することもできる。
女川町中心部の写真は2011年5月15日に撮影を始め、がれきが次第に片付けられ、被災建物の解体が進む様子を収めた。亘理町長瀞大塚では12年3月8日時点で、被災したJR常磐線の線路が残っているが、その後1年間で撤去されて整地されたことが分かる。
写真の撮影と収集は今後も継続し、撮影地点を県外に広めていく。一般からも被災地の同じ場所をデジタルカメラで撮り続けた写真を募集している。
災害研の佐藤翔輔助教は「定点で見詰めた被災地の復旧、復興の動きは貴重なデータであり、記録することは非常に重要だ。サイトの運営を通じ、協力を呼び掛けたい」と話す。連絡先は災害研022(795)4842。